話題株ピックアップ【昼刊】:住友ファーマ、エスエムエス、スクエニHD
2025/04/30 15:25
■住友ファーマ <4506> 787円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
住友ファーマ<4506>がマドを開けて5連騰、寄り付きは大量の買い注文に商いが成立せず気配値で水準を切り上げるなど物色人気が加速している。住友化学系の医薬品準大手で精神神経領域、がん、再生医療分野で実績を積み重ねている。今週明けの28日取引終了後に25年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の210億円から288億円(前の期は3548億5900万円の赤字)に増額した。北米で前立腺がん治療薬「オルゴビクス」などの売り上げが想定を上回り全体収益を押し上げている。これを材料に上値を見込んだ投資マネーが集中する格好となった。株式需給面では700円台は累積売買代金が少なく、上値の軽さが意識されやすい点もポイントとなっている。
■エス・エム・エス <2175> 1,360円 +168 円 (+14.1%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
エス・エム・エス<2175>が急騰。前営業日28日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比10.8%増の675億4400万円、最終利益は同16.1%増の70億2900万円とした。加えて、取得総数338万2600株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.98%)、取得総額40億円を上限とする自社株買いの実施も発表しており、これらを評価した買いが入ったようだ。医療や介護業界での人材ニーズは継続的に拡大すると想定。今期はキャリアパートナーの新規採用数を抑えつつ1人当たりの売上高の改善を図る。自社株の取得期間は30日から7月31日まで。このほか、今期より累進配当を行う方針を示した。前期の年間配当は28円50銭。今期の配当予想は未定としている。
■スクエニHD <9684> 8,121円 +993 円 (+13.9%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>が急伸し、上場来高値を更新した。シンガポールに拠点を置く3Dインベストメント・パートナーズがスクエニHDの株式について、新たに5%を超えて保有していることが前営業日となる28日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日に提出された大量保有報告書によると、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合は5.47%。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。報告義務発生日は21日。
■Genky <9267> 3,630円 +425 円 (+13.3%) 11:30現在 東証プライム 上昇率4位
Genky DrugStores<9267>が急騰、13%を超える上昇で新値街道をまい進し一気に3600円台に乗せてきた。福井県に本社を構え、中部圏を中心に展開するドラッグストアで、生鮮食品や弁当などの食品関連の取り扱いが多いことでも知られ、物価高のなか生活防衛関連の有望株としてマークが強まっている。そうしたなか、週明け28日取引終了後に25年6月期第3四半期(24年7月~25年3月)の決算を発表、トップライン、利益ともに堅調で本業のもうけを示す営業利益は前年同期比5%増の68億3900万円と拡大基調が続いている。これを手掛かり材料に投資マネーの攻勢が加速した。4月中旬以降の上げ足の強さが際立ち目先スピード警戒感も意識されるが、信用買い残は枯れた状態となっており、利食い圧力も限定的となっている。
■トーエネック <1946> 1,113円 +116 円 (+11.6%) 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
トーエネック<1946>に物色人気集中、気配値のまま株価水準を切り上げ、約1カ月ぶりにフシ目の4ケタ大台に突入した。中部電グループの電気工事大手で旺盛な民間設備投資需要と公共投資案件を取り込み、業績好調を維持している。今週明け28日に開示した26年3月期の営業利益は、前期比12%増の180億円予想と2ケタ成長でピーク利益更新基調が続く見通し。PERやPBRの割安さと相まって水準訂正狙いの買いを引き寄せている。また、好業績を背景に株主還元も強化し、前期配当を従来計画の40円に10円上乗せの50円(分割後修正値)とすることを発表した。また、今期は52円と更に増配を計画している。今期予想配当利回りは前営業日終値換算で5.2%に達し、インカムゲイン狙いの買いも株高を助長している。
■TOTO <5332> 3,742円 +277 円 (+8.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率6位
TOTO<5332>が大幅続伸している。同社は前営業日となる28日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示した。今期の売上高予想は前期比4.0%増の7535億円、営業利益は同8.3%増の525億円、最終利益は同2.5倍の310億円を計画する。更に、取得総数800万株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.7%)、取得総額200億円を上限とする自社株買いの実施も公表しており、ポジティブ視されたようだ。米州事業はウォシュレットの拡販などにより増収増益の見通し。日本の住設事業では価格改定効果も見込む。自社株の取得期間は5月1日から12月30日まで。取得した全株式に531万株を加えた自己株式を26年1月30日に消却する。25年3月期の売上高は前の期比3.2%増の7244億5400万円、最終利益は同67.3%減の121億6800万円だった。同時に、中国大陸事業の構造改革について発表。製造拠点のうち2拠点において閉鎖・会社清算、人員体制の適正化を進める。中国の連結子会社の固定資産に関する減損損失340億円を前期に特別損失として計上。更に26年3月期の業績予想について、構造改革費用の概算値を織り込んだ。
■NEC <6701> 3,453円 +208 円 (+6.4%) 11:30現在
NEC<6701>は大幅高で年初来高値更新。祝日前28日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比1.9%減の3兆3600億円、(特定の費用や一過性の損益などを控除した)Non-GAAPベースの営業利益は同2.8%増の3200億円と発表。前期に続き利益成長が続く見通しを示したことが買い材料視されている。配当予想は32円(株式分割考慮後で前期28円)と実質増配を計画した。主力のITサービス部門は法人向けパソコンの販売機能移管などの影響で減収となるものの、継続的な収益性向上によりセグメント増益を確保する見通し。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比1.5%減の3兆4234億円、Non-GAAP営業利益が同36.8%増の3113億100万円だった。
■TDK <6762> 1,530円 +70.5 円 (+4.8%) 11:30現在
TDK<6762>が大幅反発した。同社は前営業日となる28日の取引終了後、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の売上高予想は2兆1200億~2兆2000億円(前期比0.2~3.8%減)、最終利益予想は1350億~1700億円(同19.2%減~1.7%増)とした。レンジの上限は増益予想とし、アク抜け感も意識されて買いが入ったようだ。年間配当予想は30円。株式分割を考慮したベースで前期と実質横ばいとなる見通し。想定為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=155円とした。米国の追加関税措置により経済環境の見通しが困難であるとし、業績予想についてはベースシナリオとリスクシナリオを踏まえて公表した。
■三菱電機 <6503> 2,714.5円 +94.5 円 (+3.6%) 11:30現在
三菱電機<6503>が反発している。28日の取引終了後に発表した26年3月期の連結業績予想で営業利益4300億円(前期比9.7%増)と、過去最高益更新見通しとしたことが好感されている。インフラ事業の売り上げ拡大に加えて各事業での価格改善やコスト低減などが寄与する見通しで、米国の関税政策の影響を一定の前提で織り込んだとしつつも増益を予想する。売上高は5兆4000億円(同2.2%減)を見込む。想定為替レートを1ドル=140円(25年3月期153円)、1ユーロ=155円(同164円)、1元=19円50銭(同21円10銭)としたことや自動車機器での一部事業の終息影響などにより減収を予想する。一方で防衛システム、社会システムなどの伸長を見込むほか、FAシステムや空調・家電の価格改善効果、ITインフラ事業の拡大などが利益を押し上げる。なお、年間配当予想は未定としている。25年3月期決算は、売上高5兆5217億円(前の期比5.0%増)、営業利益3918億5000万円(同19.3%増)だった。FAシステムでの市況変動の影響などがあったものの、インフラやライフの増加、セミコンダクター・デバイスの改善などにより、売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。同時に上限を6000万株(発行済み株数の2.89%)、または1000億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されている。取得期間は4月30日から10月31日までで、資本政策の一環として株主還元の強化及び資本効率の向上を図ることが目的としている。
■十六FG <7380> 4,785円 +150 円 (+3.2%) 11:30現在
十六フィナンシャルグループ<7380>は日経平均が値を消すなか強調展開を維持、前日比160円高の4795円に買われた後も高値圏で利益確定売りをこなしている。25日取引終了後に25年3月期業績予想の修正を発表、経常利益は従来予想の275億円から312億円(前の期比12%増)に増額修正するとともに、前期年間配当を160円から180円に上方修正した。これが評価される形で投資資金を誘導している。PBRは0.4倍程度と極めて低い水準にあり、水準訂正余地が改めて意識された。また、同社株に限らずきょうは地銀株に上値を追う銘柄が多い。市場関係者は「地銀株は個別のファンダメンタルズというよりは、上がる時は一斉に上昇し、下がる時は一斉に軟化する傾向が強いが、きょうは買いのターンに入っている。地銀同士の連携や再編思惑が広がっており、全体相場が半導体や防衛関連株などに対する物色が一巡したところで、足もと資金が還流しやすいタイミングにあった」(中堅証券マーケットアナリスト)という声が聞かれた。
■高砂香料工業 <4914> 6,790円 +190 円 (+2.9%) 11:30現在
高砂香料工業<4914>が3日続伸している。28日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を5株に株式分割すると発表したことが好感されている。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整備し、投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。
■愛三工業 <7283> 1,907円 +43 円 (+2.3%) 11:30現在
愛三工業<7283>、豊田合成<7282>、NOK<7240>など自動車部品株は全体相場の上値が重いなかも、買い優勢となっている銘柄が目立つ。トランプ米政権は29日に自動車や自動車部品に対する関税の負担軽減措置を発表しており、自動車メーカーにとどまらず、その関連会社にも恩恵が及ぶとの見方が買いを誘導している。トランプ氏は米国で生産する完成車を対象に、製造過程で使用した輸入部品にかかる関税を一部免除するとしており、関税策の緩和に動き出していることで、ショート筋の買い戻しを誘発している。自動車部品セクターはPBRなど極めて割安に放置されている銘柄も多く、相対的に買いやすさも指摘されている。
■小松ウオール工業 <7949> 1,780円 +300 円 (+20.3%) ストップ高買い気配 11:30現在
小松ウオール工業<7949>はストップ高カイ気配。祝日前28日取引終了後、26年3月期単独業績予想について売上高を前期比4.2%増の465億円、営業利益を同11.7%増の40億6000万円と発表。配当予想は130円(株式分割考慮ベースで前期65円)と実質大幅増額する見通しを示しており、これを好感した買いが膨らんでいる。今期から株主還元方針を変更し、純資産配当率(DOE)の目標を「3.0%を下限」から「6%を目安」へ引き上げた。なお、同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比2.4%増の446億1600万円、営業利益が同0.1%減の36億3500万円だった。
■シーユーシー <9158> 1,139円 -219 円 (-16.1%) 11:30現在
28日に決算を発表。「今期最終は8%減益へ」が嫌気された。
シーユーシー <9158> [東証G] が4月28日大引け後(15:30)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。25年3月期の連結最終利益は前の期比20.7%増の31.3億円に伸びたが、26年3月期は前期比8.0%減の28.8億円に減る見通しとなった。
■ニコン <7731> 1,369.5円 -140 円 (-9.3%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
ニコン<7731>が大幅続落している。28日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、売上高が従来予想の7200億円から7150億円(前の期比0.3%減)へ、営業利益が190億円から25億円(同93.7%減)へ、純利益が160億円から45億円(同86.2%減)へ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気されている。映像事業とデジタルマニュファクチャリング事業で販売計画を下回ったことに加えて、精機事業において主要顧客の投資計画の見直しや半導体市況の回復の遅れを踏まえて事業計画を見直した結果、固定資産で79億円の減損損失と棚卸資産で50億円の評価損、また、サービス拠点最適化のための構造改革費用13億円を一時費用として計上することも響くとしている。なお、業績の下振れに伴い、期末配当予想を30円から25円に引き下げ、年間配当予想を50円(前の期50円)とした。
●ストップ高銘柄
住友ファーマ <4506> 787円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 11:30現在
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
オルツ <260A> 257円 -80 円 (-23.7%) ストップ安売り気配 11:30現在
アズジェント <4288> 1,036円 -300 円 (-22.5%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、2銘柄
株探ニュース