富田隆弥の【CHART CLUB】 「厳しい新春相場だが、安値は『好機』に」



厳しい新春相場だが、安値は「好機」に

◆新春相場は厳しいスタートになった。日経平均株価は4万円の壁に跳ね返され、14日には3万8305円まで下落。再び往来相場(3万8000円~4万円)の下限に迫ってきた。米国市場は10日に雇用統計ショックに見舞われ、インフレの長期化と金利の高止まりが懸念される。そして、週明け20日に大統領就任式を控え、トランプ次期政権による関税や対中規制の強化など「トランプリスク」に市場は警戒を強めている。

◆日本株で見逃せないのは、高水準にある「裁定買い残」の解消売りだ。12月30日時点の裁定買い残は2兆5304億円と、昨年ピークだった7月12日時点の2兆6817億円に迫る水準に増加していた(2025年1月10日時点では2兆3440億円)。この解消売りが加速すると、幅広い主力株に売りが機械的に出て、日経平均株価は昨年8月初旬にみせた急落(3日間で7643円下落)と似た展開に陥る恐れもある。

◆日経平均株価は、下値のポイントである52週移動平均線(16日時点3万8594円)と往来相場の下限である3万8000円を割り込むと「下放れ」となり、3万5000円台模索が否めなくなる。その意味で来週23~24日に開催される日銀金融政策決定会合が注目され、その結果や植田日銀総裁の発するメッセージによっては「3万8000円割れ=下放れ」が要警戒となる。

◆ただし、大きな調整を見せるなら裁定解消売りも峠を越し、需給環境は大きく改善する。市場が不安を募らせた「トランプリスク」も大統領就任式を通過することで、いったん材料出尽くしとなる。そして、日本株のアノマリー(経験則)には「1月中旬安値→節分天井」がある。昨年8月5日安値の6カ月期日は2月5日。ここからの日本株の安値は好機として狙うポイントとなるだろう。

(1月16日 記、次回更新は1月25日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース


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