鈴木英之氏【日経平均急反発、トランプ2.0で視界は変わるか】(2) <相場観特集>



―トランプ政策への期待と不安、日銀の決定会合にも思惑錯綜―

 20日の東京株式市場は、前週末の欧米株市場が全面高様相となったことを受けて大きく買い優勢に傾いた。日経平均株価は大発会の翌日に急騰をみせたが、それを含め今年に入って前週末まで上昇した日はわずかに2営業日のみと調整色の強い地合いを強いられていた。しかし、きょうはリスクオフの巻き戻しが入った格好だ。今週は米国でトランプ氏が新大統領に就任するほか、週末には日銀金融政策決定会合の結果発表を控えるなどビッグイベントが続く。ここからの相場展望について、東洋証券の大塚竜太氏とSBI証券の鈴木英之氏の両名に話を聞いた。

●「4万円上値の往来相場続く、不透明要因は徐々に織り込む」

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

 トランプ次期米大統領の就任初日となる今晩20日の動向などを確認する必要はあるものの基本的には相場は不透明要因を徐々に織り込んでいく、と予想している。同氏による関税政策は、関税の引き上げ自体を目的としているというより、関税を材料に相手国と交渉することで米国への有利な状況を引き出すことを狙っているのだと思う。日本を含めた一律関税がかけられた場合、いったん相場は波乱局面となる可能性もあるが、その後は徐々に落ち着いていくとみている。

 米金融政策に関しては、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では現状維持が予想され、年内は1~2回程度の利下げとの見方が強まっている。足もとの米経済は堅調だが、インフレ率は低いという状況がいつまで続くかがポイントだろう。日銀は23~24日の金融政策決定会合での追加利上げに踏み切る、との見通しが強まっている。

 こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価は3万8000~4万円前後での値動きを見込んでいる。当面は往来相場が続くことを予想している。

 個別銘柄では、アドバンテスト <6857> [東証P]やディスコ <6146> [東証P]といった半導体関連株や、フジクラ <5803> [東証P]などのデータセンター関連株は押し目買いのスタンスで良いとみている。また、足もとで発表された決算が良好だった2・8月期決算企業のなかでは、良品計画 <7453> [東証P]やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のテラスカイ <3915> [東証P]などに注目している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。


株探ニュース


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