【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ "黄金時代"の米国で勝機をつかむ日本企業!



「“黄金時代”の米国で勝機をつかむ日本企業!」

●ロケットスタートを印象づけたトランプ氏

 トランプ米大統領は就任早々からガンガン仕事をしているようだ。大統領の椅子に座るや否や、多くの大統領令にサインして仕事ぶりをアピールしていた映像はご覧になったはずだ。サインしたペンを支持者たちに向けて放り投げ、ご満悦だった姿も印象的だった。どんなことを国民に向けて約束したのかリストにしてみたが、正直多すぎるのであくまで一部を以下に紹介しておく。

・メキシコ、カナダ製品に25%の関税を課す
・パリ協定から離脱する
・WHO(世界保健機関)から離脱する
・中国製品へは10%の追加関税を課す

・不法移民を国外に退去させる
・メキシコとの国境に国家非常事態を宣言
・国境に軍隊を増派し、国境警備を強化する
・メキシコとの国境を越えて来る難民申請者の入国を一時停止

・米国生まれの子に自動的に米国籍を与えるルールを見直す
・麻薬カルテルを外国テロ組織に指定する
・国家エネルギー非常事態を宣言
・電気自動車(EV)の普及策を撤廃する

・液化天然ガス(LNG)の新規輸出許可の審査を再開する
・米沿岸部の新たな石油・ガス掘削を禁じた前政権の覚書を取り消す
・アラスカのLNGを優先的に開発する
・エネルギー開発を阻害する各省庁の規制を見直す

・連邦政府職員に週5日オフィス勤務を求める
・連邦政府機関で新たに政治任用区分を設け、既存人材の大量解雇を行う
・人員削減計画ができるまで、軍などを除き政府職員の新規採用を凍結する
・政府職員のリモートワークを原則終了する

・「政府効率化省」を新設する
・男性と女性という二つの性のみを認める

 これだけでもかなりの数であるのに、他にもさらにあるのだから、正直「そんなに実行できるの?」と問いたくなるが、実行は可能だろう。自らが実行するわけではなく、トランプ大統領は命じ、その進捗を報告させ、期待通りに進んでいればそのまま続けさせ、進捗していなければ責任者を交代させればいいからだ。

●新政権は大繁栄時代を米国にもたらすのか

 こうした政権の初動においてトランプ大統領が力強く予告したことが、「米国の黄金の時代が始まる」だった。「黄金の時代」なんて言葉は近年では死語になっていた。しかし、トランプ大統領はそれを持ち出したのだ。米国の歴史で「黄金の時代」といえるのは、1920年代。世界大恐慌にいたる前の10年ほどで、熱気、乱痴気騒ぎの時代として歴史に刻まれている。

 1960年代も「黄金の時代」と呼べる大繁栄だった。トランプ大統領の治世下で「黄金の時代」が到来するのならば3度目となる。是非そうなって欲しいものだが、理想的な大繁栄でなくても半分くらいなら、いや、4年間という時間制限を考えると、3分の1の規模になるかもしれないが、現状以上の好況はあり得る。こう考えられるため、米国での事業展開に注力中の銘柄への投資がオススメとなる。

 そこで、まず注目は任天堂 <7974> [東証P]だ。同社は1月16日、「ニンテンドースイッチ」の後継機「スイッチ2」を年内に発売すると発表した。私は発表翌日の急騰を期待していたのだが、実際は急落してしまった。ゲームに詳しい投資家たちが事前に投資していて、発表で利食いに出たのだろう。しかし、その後は20日に底をつけて回復に転じ、先週末は新値に進んでしまった。この点、目先的には高くなっているものの、「スイッチ」のとてつもないヒットを考えると、「スイッチ2」が大コケしてしまうことはまず考えられない。株価は目先高値にはあるが、押し目はあるのでそれを見逃さないようにしたい。それに、米国には「スイッチ」ファンがとてつもなく沢山いることも忘れないでね、となる。

 日本製品で米国での人気が高いのは、自動車ではSUBARU <7270> [東証P]だ。スバル車はラリーで鍛えられた走破性の高さが評価されており、しかもサイズの割には価格も安いためだろう。米国に「黄金の時代」が来るなら、夫は高級車、妻や子供たちはスバル車となるのでは。

 良品計画 <7453> [東証P]の「無印良品(MUJI)」も米国での人気は高い。シンプルなデザインと洗練されたアイテムを揃えた商品展開が若い世代の共感を得ていて、インドやインドネシアなどアジア各国と並んで収益増ゾーンとなっている。もちろん、ファーストリテイリング <9983> [東証P]のユニクロも米国の消費者に良品計画以上に受け入れられてはいるものの、なにしろ同社の株価は高い。簡単に手を出せないので、ここではスルーするしかない。

 パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]は松下電器、ナショナルの時代から米国展開に力を入れており、主力製品が家電から電池、その他に変わったいまもそれは変わらない。事業的には電池、特に大型蓄電池がデータセンター向けなどに需要増となっているため、現在の株価調整局面は魅力的になる。

 忘れてならないのが、お寿司。回転寿司「スシロー」を展開するFOOD & LIFE COMPANIES <3563> [東証P]は、台湾、香港などと並んで米国での展開に力を入れている。今後も出店数を伸ばし続け、米国では「寿司のマクドナルド」となることだろう。

 そして、最後は宝ホールディングス <2531> [東証P]になる。 日本酒がユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、世界的に日本酒の評価が高まっている。そんな中で同社は米国での日本酒販売はもちろん、日本食材卸の事業を展開している。地味ながらこの分野は今後も着実に伸び続けると見てよく、株価も堅調高が見込める。

2025年1月24日 記

株探ニュース


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