【植木靖男の相場展望】 ─トランプ大統領の製造業復活は本気か



「トランプ大統領の製造業復活は本気か」

●上放れの時期は近い

 日経平均株価は暗中模索の領域にはまり込んでいるようにみえる。上値は乏しく、下値も限定的といった展開をみせている。この1週間をとっても上値は3万9192円、下値が3万8401円とわずか791円幅の小動きに過ぎない。

 その最大の要因だが、トランプ米大統領の言動に振り回され先行きが見通せないことに尽きる。なかでも日本経済にとってはトランプ大統領の関税政策が問題となる。わが国への関税はもちろん、他国への関税がもたらすわが国への影響など、まさに難題百出といったところだ。

 さて、こうした株価の保ち合いは直近に限ったものではない。チャートを振り返ると、昨年9月下旬以降、今日まで長保ち合いが続いていることに気づく。上値4万0400円、下値3万7800円というおよそ2600円幅での保ち合いになっている。

 では、この長保ち合いはいつまで続くのか? これまでの経験則でいえば、長くても5~6カ月である。日米関係の今後にもよるが、3月頃まで保ち合いが続くかもしれない。そういえば1987~88年の平成バブルのときも87年後半のブラックマンデー後の安値保ち合い、そして88年4月~10月の長保ち合いも半年近くを要したことが想起される。

 とすれば、いまは2月。そろそろ上放れる時期は近いようだ。ただし、上放れには条件がある。世界の投機資金、投資資金がわが国に流入、さらに言えば国内金融情勢次第でマネーサプライが急増することだ。つまり、金余り状況になるかどうかである。ここ1~2カ月はこうした金融情勢から目が離せない。

●中小型の出遅れ好業績銘柄が物色の柱に

 当面、株価の保ち合いが続くとして、物色面はどうか。決算発表シーズンが終幕に近づく中、物色の本命は中小型の好業績銘柄となっている。それらの中には個人投資家の方が社名を聞いてもどんな企業かわからないという知名度に乏しい企業も少なくない。まさに中小型銘柄が乱舞しているのが現状である。

 こうした中小型株は動きが速く、いったん人気づくと勢いのある上昇をみせるが、持続性には難があるものが多い。よほどの好材料が内在していないと人気は短命になりやすい。要注意だ。

 筆者は、4月以降は中小型から大型株へと大きく物色の変化が起きると予想している。それまでの期限での物色対象としては、内需、ハイテクにかかわらず、中小型の出遅れ好業績銘柄ということになる。

 今回はトランプ大統領が叫ぶ製造業の復活も一理あるかもしれない。ソフトからハードへの物色の転換か。

 これらを考慮すると、東洋製罐グループホールディングス <5901> [東証P]などは新鮮味がありそうだ。また、非鉄の三井金属鉱業 <5706> [東証P]も面白そうだ。さらに、ミネベアミツミ <6479> [東証P]やエア・ウォーター <4088> [東証P]。また、日本道路 <1884> [東証P]なども動き出したら妙味大だ。

 ここからは日柄の進行とともに物色の変化もあると予想されるので注目したい。

2025年2月7日 記

株探ニュース


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