富田隆弥の【CHART CLUB】 「長引く往来、改めて『放れ』を注視」



「長引く往来、改めて『放れ』を注視」

◆日米の株式市場は、トランプ米大統領の言動により乱高下を強いられる展開となっている。ただ、その中でも日経平均株価は200日移動平均線(6日時点3万8625円)や52週線(同3万8780円)にサポートされて、昨年9月下旬から続く往来圏(3万8000円~4万円)での推移を維持している。

◆日経平均株価の日足は1月24日高値(4万0279円)から10本を経過し、順位相関指数(RCI)に底打ち反転の気配が漂う。切り返しから往来上限の4万円を試しに行くことも想定される。

◆ただし、気掛かりは為替(円高)であり、6日に1ドル=151円台をつけてきた。為替の日足チャートは200日移動平均線(152.78円)を割り込み、12月3日につけた148.65円を目指してもおかしくない流れになった。第3四半期決算が好調で、通期業績予想の上方修正に動く企業も少なくないが、円高が進行すればその好業績の前提が揺らぐことになる。

◆日経平均株価が調整して往来下限3万8000円を割り込むようだと、需給不安が台頭しかねない。信用買い残は4兆2453億円(1月31日申し込み時点)、裁定買い残(先物取引に伴う現物買い残)が2兆1630億円(同)と高水準にある。日経平均株価の軟化に伴い解消売りが加速すれば、急落に連鎖するリスクも浮上する。

◆昨年10月から往来が続く日経平均株価。これだけもみ合いが長引くと、「放れ足」を改めて注視すべきだ。昨年8月5日の急落から6カ月が経過し、いつ放れを見せてもおかしくはない。NYダウは12月4日の史上最高値4万5073ドルに肩を並べた(ダブルトップ)。上放れでも、下放れでも材料は後から付いてくるものであり、往来チャートの基本である「放れに従う」を忘れずにおきたい。

(2月6日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース


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