【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─「トランプ戦国相場」の勝者の条件とは?!



「『トランプ戦国相場』の勝者の条件とは?!」

●上昇に不思議の上昇あり、下落に不思議の下落なし

 野球ファンなら、次の名言を覚えておられるのでは?

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 これは名将・野村克也元監督が語った言葉で、テレビや書籍で紹介されるたびに「う~ん、なるほどなあ」と感心した記憶がある(本来は江戸時代の大名・松浦静山が残した言葉とされる)。

 実は株式投資にも、この言葉は当てはまる。「上昇に不思議の上昇あり、下落に不思議の下落なし」と……。たとえば、現在ならフジ・メディア・ホールディングス <4676> [東証P]だ。会社のコンプライアンスに問題ありとして、マスコミの集中砲火を浴びるだけでなく、主要スポンサーがCMの提供を降りるなど、危機的状況にあるのはご存じの通りだ。しかし、株価は1月半ば以降上昇に転じ、先週末も新値に進んで一段高したばかりだ。通常の投資感覚ではとても信じられない動きであり、「上昇に不思議の上昇あり」の好例と言ってよいだろう。

 こんな例は他にもあり、私がこれまで時々取り上げた銘柄の中では、清水建設 <1803> [東証P]も該当する。私が注目する理由は、昨年から変わらない。ごくシンプルに、この会社は大阪万博で日本館の建設を手掛けており、万博開催となればその素晴らしさが際立ち、「この建物を作ったのはどこか? 清水建設だ、ワンダフル!」。こうなるだろうと予想しているからだ。

 しかし、正直ほとんどの建設株が失速している中で、こんな理由でずっと上がり続けるだろうかとなる。もちろん4月には社長交代があり、建設事業の建て直しに取り組むという材料はある。それでも、自分で取り上げた銘柄ながら、「こんなに上がるとは不思議」という思いもある。

 こんなふうに、トランプ相場ではこの種の不思議な上がり方をする銘柄が続出する可能性がある。なにしろトランプ大統領の語ること、行うこと、いや、彼を巡るほとんどのことが理解不能に近い、不思議なことだらけなのだ。われわれ投資家はそれに馴れるべきで、私はまずマインドを合わせるべく、トランプ政権下の株式市場を単に「トランプ相場」ではなく、「トランプ戦国相場」と呼ぶことにしている。

●熱量高い顧客に支持される企業群に着目!

 こう呼ぶのは、トランプ大統領は世界を相手に「関税」策を武器にしてあからさまな貿易戦争を仕掛け、混乱に陥れているからだ。こんな状況での投資は、大規模なグローバル展開をしている企業はリスクが高くなるため、特定の分野で熱量の高い顧客に支持されている企業への投資が安全だ。

 そこで具体的には、まずはダイフク <6383> [東証P]だ。立体自動倉庫で首位。保管・搬送システムにも強く、物流システムや関連機器で高いブランド力を持っている。株価は低迷中なので魅力的だ。

 いまは硬貨の処理に困る時代。私は500円玉貯金をしているのだが、家族にいわせると銀行や郵便局にそれを持ち込むと迷惑がられるとのこと。正直それで困っているのだが、世界では硬貨が大事にされているところもある。特に大事にされるのは カジノ。カジノでは紙幣、硬貨ともに大事に扱われていて、紙幣識別機や硬貨計数器などが不可欠。それらの製造を手掛けることで収益を伸ばしているのが、日本金銭機械 <6418> [東証P]だ。国内での知名度はイマイチながら、世界ではよく知られている存在であり、株は期待が持てる。

 国内より海外で知名度が高い企業で忘れてならないのが、竹内製作所 <6432> [東証P]。米国での同社のミニショベルは評価が高く、当面需要は落ちそうにない。

 ホチキスで有名なマックス <6454> [東証P]が製造している主力製品をご存じだろうか。鉄筋結束機や建設作業用釘打ち機だ。これらの製品は建設現場に不可欠であり、着実に需要を伸ばしているため、今期・来期連続で収益増が見込める。

 最後に、サンリオ <8136> [東証P]を。同社の「キティちゃん」をはじめとするIP(知的財産)ビジネスは世界的にもユニークで出色。他が真似ることができないビジネスだけに、もっと評価されてよいという観点から、さらなる高値があっても不思議ではない。

2025年2月14日 記

株探ニュース


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