【杉村富生の短期相場観測】 ─川底の金貨を拾おうじゃないか!



「川底の金貨を拾おうじゃないか!」

●肝要なのはリスクを取る勇気!

 いや~、ひどい、ひどすぎる。完全にクラッシュ(崩落→ガラ)である。トランプ政権の外交・通商政策はメチャクチャだ。トランプ関税は歴史(1930年のフーバー大統領によるスムート・ホーリー法)が示しているように、世界を破滅させる。貿易戦争(関税引き上げの応酬)は貿易の停滞、景気の悪化を招くだろう。

 アメリカだって、このワナから逃げられない。トランプ大統領は「アメリカ復活の第一歩」と叫んでいるが、実は思惑とは裏腹に衰退の始まりとなろう。アメリカ以外の国々は自由貿易圏の構築を進めるべきだ。それに、ドルを基軸通貨とした戦後のブレトンウッズ体制が崩れるリスクが存在する。

 NYダウは4月3日、1679ドル(3.98%)安の4万0545ドルと急落した。 NASDAQ指数は1050ポイント(5.97%)安と暴落だ。アメリカは株式資本主義の国である。2024年末の家計資産は170兆ドル(約2京5000兆円)に達する。これではみんな貧乏になってしまうぞ。それに耐えられるか。

 ビットコイン(暗号資産)、原油(WTI)、金などすべての資産が急落している。リスク・オフだ。長期債(10年物国債利回り)の金利低下も著しい。これは株式売りの債券買いに加え、景気悪化を示唆している。為替は1ドル=146円台の円高だ。輸出関連企業には関税と円高のダブルパンチになる。

 日経平均株価は昨年8月5日のザラバ安値3万1156円に対する二番底形成の動きだろう。4月3日の瞬間安値は3万4102円(1623円安)だったが、4日は3万3259円の安値があった。パニック的な商状に近い。ただ、これはオプション取引に絡む異常値だ。とはいえ、「値のあるうちに」と不安心理が高まる。いつものパターンである。

●日経レバの買い下がりを提唱!

 古来、嵐のときは動くな、落ちる短剣はつかむな、増水時の川底の金貨は拾うな、などという。確かに、その通りである。しかし、肝要なのはリスクを取る勇気、との教えがある。それに、川の水が引いて、金貨を拾おうと待っていると、先に誰かに取られてしまう。株式投資も同じではないか。

 さらに、パニックは政策の母、危機は必ず克服される、との教訓がある。すでに、FRB(米連邦準備制度理事会)は保有国債売却の金額を月間250億ドル→50億ドルに大幅減額した。QT(量的金融引き締め)は最終局面を迎えている。つれて、マネタリーベース、ワールドダラーは増加に転じる。さらに、利下げが再開されると思う。

 EU(欧州連合)、中国の財政出動は加速する。利下げもそうだ。まさに、リーマン・ショック、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)時のような政策総動員態勢になりつつある。アメリカ市場のセンチメント(投資家心理)は2008年以降、3度目のマイナス40%と、最悪の状況だ。しかし、そこはいずれも天与の買い場になっている。

 まあ、今回のケースは悪質だ。ただ、人類には危機を乗り越える力がある。さて、ここでの投資戦術だが、とりあえず、そろりそろりとNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]の買い下がり作戦をお勧めしたい。1株取引である。2万円前後で買える。

 個別銘柄ではみんなバーゲンセールだが、3日に逆行高、かつ大商いを演じたSMN <6185> [東証S]はどうか。筆頭株主はソニーネットワークコミュニケーションズだ。発行済み株式数の53.29%を保有している。2位の株主には読売新聞東京本社がいる。72.5万株(4.91%)を保有し、取得価格は569円(3年前に第三者割当増資を引き受け)である。

 やはり、逆行高を演じているのがKADOKAWA <9468> [東証P]だ。ソニーグループ <6758> [東証P]が買収するとの話があったが、これは業務提携にとどまった。だが、思惑は燻っている。そのKADOKAWAとSMNは提携している。相場格言は暴落日の赤札銘柄を狙え、という。

 このほか、アクティビスト(物言う株主)が介入しているnms ホールディングス <2162> [東証S]、青山財産ネットワークス <8929> [東証S]、シンクロ・フード <3963> [東証P]は押し目買いのチャンスと判断する。三井不動産 <8801> [東証P]、JR東海 <9022> [東証P]は逆行高を演じている。

2025年4月4日 記





株探ニュース


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