前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―



■IIJ <3774>  2,430円 (-289円、-10.6%)

 東証プライムの下落率2位。インターネットイニシアティブ <3774> [東証P]が急反落。同社は15日、顧客情報の一部が外部に漏えいした可能性があることを10日に確認したと発表した。法人向けのメールセキュリティサービス「IIJセキュアMXサービス」の設備において昨年8月以降、不正なアクセスを受け、サービスを提供している設備上で不正なプログラムが実行されていたという。サービス利用者数として約400万人分の情報が漏えいした可能性があるとしており、今後の事業への影響を懸念した売りがかさんだようだ。漏えいした可能性があるのは、同サービスで作成された電子メールのアカウントやパスワード、同サービスと連携して動作するように設定されていた他社クラウドサービスの認証情報など。現在は安全に利用できる状態となっており、原因や影響範囲について今後調査を継続するとしている。

■グロービング <277A>  1,881円 (-206円、-9.9%)

 グロービング <277A> [東証G]が続急落。14日の取引終了後、25年5月期の連結業績予想について、売上高を76億1200万円から81億5000万円(前期比95.2%増)へ、営業利益を21億8400万円から26億円(同7.0倍)へ、純利益を14億100万円から15億円(同5.8倍)へ上方修正し、朝方にはこれを好感する形で反発する場面もあったものの、買いが続かなかったようだ。コンサルティング事業でコンサルタントの中途採用が順調に進み、前期に採用したパートナー層が本格的に稼働し、長期的関係構築を狙う戦略アカウントが拡大したことが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(24年6月-25年2月)決算は、前年同期は連結四半期決算を作成していないため前年同期との比較はできないものの、売上高59億5300万円、営業利益21億1800万円、純利益12億2600万円で着地した。

■FPパートナ <7388>  2,324円 (-219円、-8.6%)

 東証プライムの下落率6位。FPパートナー <7388> [東証P]が4日ぶり急反落。14日取引終了後に24年12月-25年2月期単独決算を発表し、売上高は前年同期比横ばいの83億3200万円、営業利益は同41.5%減の7億9700万円だった。通期で増収増益を見込んでいるだけに失望売りを誘ったようだ。保険業界の環境変化への準備に注力したことで販売商品構成の改善に遅れが発生し、収益性の高い保障系商品の販売が低調となったことが響いた。採用・育成への注力と、既契約者フォローによる新規契約獲得を推進し、通期業績予想の達成を目指すという。

■松屋 <8237>  963円 (-90円、-8.6%)

 東証プライムの下落率7位。松屋 <8237> [東証P]が続急落。14日取引終了後、26年2月期連結業績予想について売上高を前期比3.9%増の500億円、営業利益を同10.8%減の40億円と発表した。営業最高益を記録した前期から一転減益となる見通しを示したことから、これが嫌気された。配当予想は前期比据え置きの12円。同時に発表した25年2月期決算は売上高が前の期比16.7%増の481億2000万円、営業利益が同50.8%増の44億8500万円だった。富裕層を中心とした堅調な消費動向や、訪日外国人観光客による免税売上高が引き続き好調だったことが追い風となった。

■テレ朝HD <9409>  2,326円 (-162円、-6.5%)

 東証プライムの下落率9位。テレビ朝日ホールディングス <9409> [東証P]が急反落。14日取引終了後、大株主の朝日新聞社と大日本印刷 <7912> [東証P]による合計785万2200株の売り出しを実施すると発表した。需要状況に応じて上限117万7800株のオーバーアロットメントによる売り出しも行う。売り出し価格は22日から24日までのいずれかの日に決定する。株式需給の悪化を懸念した売りが出た。なお、売り出しに伴う株式需給への影響を緩和するため、自社株買いを実施するとあわせて発表した。取得上限は200万株(自己株式を除く発行済み株数の2.0%)、または30億円。期間は売り出しの受け渡し期日の翌営業日から10月31日まで。

■東宝 <9602>  7,636円 (-344円、-4.3%)

 東宝 <9602> [東証P]が続落。同社は14日の取引終了後、25年2月期の連結決算発表にあわせ、26年2月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比4.2%減の3000億円、最終利益は同13.5%減の375億円と減収減益を計画しており、嫌気されたようだ。前期に好調だった「ゴジラ-1.0」の国内外での配信権収入のはく落や、帝国劇場の一時休館が響く。あわせて同社は28年2月期までの中期経営計画を公表。営業利益700億円以上(25年2月期は646億8400万円)に伸ばすとともに、配当方針については年85円の配当を下限に配当性向を35%以上(従来は年40円の配当をベースに配当性向30%以上)とする目標を掲げた。

■TKP <3479>  1,769円 (-69円、-3.8%)

 ティーケーピー <3479> [東証G]が4日ぶり大幅反落。14日の取引終了後に26年2月期の連結業績予想を発表。売上高1030億円(前期比74.0%増)、営業利益70億円(同18.3%増)、純利益32億円(同15.6%減)と2ケタ営業増益を予想しており、朝方はこれを好感する形で年初来高値を更新したものの、買い一巡後は利益確定売りに押される展開となった。企業の人的資本投資への関心や対面コミュニケーション回帰の動きを受け、貸会議室事業が堅調に推移する見通しであることに加えて。前期に出店した宿泊施設の通年寄与や新規出店などが業績を押し上げる見通し。また、前期に連結化したリリカラ、ノバレーゼなどの通年寄与も見込まれる。一方、最終利益は前期に計上した法人税等調整額が剥落することで減益を見込む。なお、25年2月期決算は、売上高592億800万円(前年同期比62.0%増)、営業利益59億1500万円(同28.4%増)、純利益37億8900万円(同48.2%減)だった。同時に、上限を300万株(発行済み株数の7.07%)、または35億円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は4月15日から6月30日までで、株主還元の強化や資本効率性の向上を図るためとしている。

■菱地所 <8802>  2,412円 (-29円、-1.2%)

 三菱地所 <8802> [東証P]が反落。三井不動産 <8801> [東証P]や住友不動産 <8830> [東証P]も後場は軟調に推移した。日本の財務省が15日に実施した20年債入札は、応札倍率が2.96倍と前回(3月12日)の3.46倍から低下。小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)は34銭で、前回の20銭から拡大した。市場では弱めの結果となったと受け止められており、債券先物は下げ幅を拡大。長期金利への上昇圧力が高まった。これを受け、金利上昇が収益面で悪影響をもたらすと考えられている不動産株の買い持ち高を圧縮する目的の売りが出たようだ。

※15日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース


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