GW明けに真価発揮へ、大転換期に光放つ3大テーマ(1)【再生医療】 <GW特集>



―米国政治の不確実性を横目に日本株に下値抵抗力、反転攻勢の好機は目前に―

 トランプ米政権が誕生して3カ月あまりが経過し、この間に金融市場は大混乱に見舞われた。相互関税による世界経済へのダメージや、日本への円安是正圧力など懸念材料を挙げればキリがない。しかし日経平均株価は史上3番目の下げ幅を記録した4月7日以降、徐々に下値抵抗力をみせるようになり、米国政治の不確実性を横目に全体相場は冷静さを取り戻しつつある。中期的に成長が見込めるテーマに関連する銘柄、安定的に業績が拡大できる銘柄に関しては、市場の動揺が収まるにつれて、反騰機運を高めることが期待できそうだ。こうした観点から今回はゴールデンウィーク特集として、歴史上の大転換期と呼ばれる局面においても投資家が高い関心を持つと見込まれる「再生医療」と「ゲーム」、「内需好業績株」の3つのテーマに絞り、それぞれ株価上昇が見込める妙味株を3銘柄ずつピックアップしていく。第1回は「再生医療」にスポットを当てる。

(1)【再生医療】

 大阪・関西万博「iPS心臓」で注目度高まる

 4月13日に開幕した大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。今年の一大イベントとあって連日のようにメディアで取り上げられている。特に話題となっているのが、培養液のなかで動くiPS心臓である。開幕直前の同月8日、大阪大学発創薬ベンチャーのクオリプス <4894> [東証G]が iPS細胞由来心筋細胞シートについて、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表。同社を含む再生医療関連株が物色人気化したことは記憶に新しい。業績評価ではなく、あくまで夢を買うステージにある銘柄がほとんどだが、中期的に有望なテーマとして注目度が高まった状態はまだまだ続きそうだ。

●Heartseed <219A> [東証G]~学会での最新データ発表に期待

 他家iPS細胞由来の再生心筋を活用した重症心不全の治療法の開発を目指す。昨年7月に東証グロース市場に新規上場し、デンマーク製薬大手ノボノルディスク<NVO>と提携関係を持つ。再生心筋を冠動脈バイパス手術と併用して投与する「HS-001」の国内治験について合計10例の投与が完了。25年10月期はデータ解析と承認申請に向けた準備の年となるが、学会などで最新のデータが発表される可能性がある。カテーテル投与の「HS-005」について、年内に国内で治験届を提出できるかも注目点だ。

●ケイファーマ <4896> [東証G]~脊髄損傷向けで企業治験準備を推進中

 iPS細胞を活用したALS(筋萎縮性側索硬化症)を対象とする創薬開発とともに、脊髄損傷の治療に向けた再生医療開発を展開。3月に共同研究先の慶応大学医学部が、脊髄損傷向けの臨床研究で一定の安全性と、症状の改善例を確認したと発表した。ALS向けはアルフレッサ ホールディングス <2784> [東証P]子会社のアルフレッサ ファーマを導出先に第3相臨床試験の実施に向けた準備を推進。脊髄損傷向けでは今後、企業治験に向け医薬品医療機器総合機構(PMDA)との事前相談準備などを進める予定で、将来的には再生医療事業の対象疾患を脳疾患にも拡大させる方針を掲げている。

●ステムセル研究所 <7096> [東証G]~臍帯血の採取率向上でトップラインに伸びしろ

 再生医療での活用が期待される臍帯血の民間バンクで国内市場をほぼ独占。自閉症スペクトラム障害や小児脳性麻痺に対する臨床研究に携わっている。契約時の技術料と保管料を受け取るビジネスモデルで着実に成長を遂げており、25年3月期は2ケタの増収で連続最高益更新の計画だ。日本国内での臍帯血の採取率は1%程度にとどまっており、更に同社が東南アジアでの事業拡大の基盤整備に乗り出したことを踏まえると、トップラインの伸びしろは大きいと言えるだろう。日本トリム <6788> [東証P]の上場子会社としても知られている。



株探ニュース


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