前週末2日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―



■コカBJH <2579>  2,408円 (-238円、-9.0%)

 東証プライムの下落率トップ。コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス <2579> [東証P]が続急落。1日の取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)連結決算で、営業損益が100億6900万円の赤字(前年同期30億7000万円の赤字)となり、赤字幅を拡大させて着地したことが嫌気された。売上高は1897億6000万円(前年同期比1.7%増)となった。販売数量は価格改定による影響はあったものの前年並みを維持しており、これに価格改定によるケースあたり納価の改善効果が貢献した。一方、中長期の成長につながるマーケティング投資を実施したほか原材料や資材価格高騰の影響もあり、赤字幅が拡大した。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高9061億円(前期比1.5%増)、営業利益180億円(同34.4%増)の従来見通しを据え置いた。

■エプソン <6724>  1,920円 (-99.5円、-4.9%)

 東証プライムの下落率6位。セイコーエプソン <6724> [東証P]が大幅反落。1日取引終了後、26年3月期連結業績予想について売上高を前期比3.2%減の1兆3200億円、純利益を同25.7%減の410億円と発表。円高によるマイナス影響を織り込んだ。前期から一転して減収減益となる見通しを示したことから、これが売り材料視された。想定為替レートは1ドル=141円、1ユーロ=155円。なお、米関税引き上げについて会社側は業績への影響は大きなものになると想定し、価格対応や生産拠点の変更などのサプライチェーン対応を実行していくとした。配当予想は前期比据え置きの74円を見込んだ。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比3.7%増の1兆3629億円、純利益が同4.9%増の551億7700万円だった。

■リコーリース <8566>  5,280円 (-190円、-3.5%)

 リコーリース <8566> [東証P]が続落。2日午後2時、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の業績予想を開示。今期の最終利益は前期比15.7%減の132億円を見込む。減益予想を嫌気した売りが優勢となったようだ。資金原価と販管費の増加が利益を圧迫する。今期の売上高は同2.5%増の3200億円を計画する。3月31日を基準日とする前期の期末配当を従来の見通しから5円増額して100円(年間180円)としたうえで、今期の年間配当予想は前期比5円増配の185円とした。

■ゼンショHD <7550>  8,700円 (-311円、-3.5%)

 ゼンショーホールディングス <7550> [東証P]が大幅反落。1日に発表した4月度の「すき家」売上高(速報値)で既存店売上高が前年同月比7.2%減となり、50ヵ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。なお、全店売上高は同20.2%減だった。一部店舗における異物混入発覚を受けて、全店舗が3月末から約4日間休業したことや、営業再開後も客離れが続き既存店客数が同16.0%減となったことが響いた。

■三菱UFJ <8306>  1,737.5円 (-44.5円、-2.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が続落。東証の業種別指数で銀行業は2%を超す下げとなり、下落率トップとなっていた。前日1日の取引終了後、日銀の植田和男総裁が金融政策決定会合後の記者会見に臨んだ。このなかで植田総裁は、米国の関税政策に関し、経済や物価の下押しリスクを指摘したうえで、基調物価の2%達成時期については、やや後ずれするとの認識を示した。これを受け、日銀が早期に利上げに踏み切るとの見方が後退。金利の先高観が薄れたとの受け止めが広がり、金利上昇メリットセクターである銀行株に対しては、買い持ち高を圧縮する目的の売りが優勢となった。

■協和キリン <4151>  2,191円 (-47.5円、-2.1%)

 協和キリン <4151> [東証P]が3日ぶり反落。1日の取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)連結決算が、売上高1047億2500万円(前年同期比0.8%減)、純利益61億6700万円(同57.9%減)と減収減益となったことが嫌気された。北米及びヨーロッパ、中東及びアフリカ地域を中心にFGF23関連疾患治療剤クリースビータや抗悪性腫瘍剤ポテリジオなどのグローバル戦略品が伸長したものの、アジア太平洋地域の事業再編による影響や尋常性乾癬治療剤ドボベットの販売提携契約終了による影響、薬価改定や競合品の影響を受けた発熱性好中球減少症発症抑制剤ジーラスタの苦戦などが響いた。なお、25年12月期通期業績予想は、売上高4780億円(前期比3.5%減)、純利益570億円(同4.8%減)の従来見通しを据え置いた。

■H2Oリテイ <8242>  1,896.5円 (-39円、-2.0%)

 エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> [東証P]が続落。1日取引終了後に4月度の売り上げ速報を発表。百貨店事業の全店合計は前年同月比6.4%減と、前月に続きマイナスとなった。高い伸びとなった前年の反動と円高傾向により、免税売り上げが引き続き苦戦。また、阪急本店などの大型改装で売り場面積が減少した影響もあった。これが嫌気された。

■大東建 <1878>  15,470円 (-315円、-2.0%)

 大東建託 <1878> [東証P]が続落。2日昼ごろ、26年3月期の見通しを発表した。配当予想について685円(今年10月の株式分割考慮前ベース)とし、前期の714円から実質減配とする方針を示した。これが売り材料視された。今期の売上高は前期比6.9%増の1兆9700億円、営業利益は同5.2%増の1250億円を予想。同時に発表した25年3月期決算は売上高が前の期比6.4%増の1兆8423億円、営業利益が同13.4%増の1188億7500万円だった。建設事業が全体を牽引した。

■ワークマン <7564>  4,460円 (-85円、-1.9%)

 ワークマン <7564> [東証S]が反落。1日の取引終了後に発表した4月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比0.1%増と微増にとどまったことが弱材料視された。冷却機能が付いたペルチェベストやサマーカーゴパンツ、レディースカジュアルなどの春夏衣料が好調に推移した一方、雨関連商品やシューズ、通年ワークウェアなどが伸び悩んだ。なお、全店売上高は同4.9%増だった。

■三菱商 <8058>  2,640.5円 (-46.5円、-1.7%)

 三菱商事 <8058> [東証P]が続落。2日午後2時15分、25年3月期の連結決算発表にあわせ、26年3月期の最終利益が前期比26.4%減の7000億円になるとの見通しを示した。減益予想を嫌気した売りがかさんだようだ。LNG関連事業での油価下落・数量減少の影響を見込むほか、前年度の炭鉱売却やローソンの持ち分法適用会社化に伴う再評価益の反動も響く。一方、今期の年間配当予想は同10円増配の110円とした。25年3月期の最終利益は前の期比1.4%減の9507億900万円だった。

■イチネンHD <9619>  1,651円 (-29円、-1.7%)

 イチネンホールディングス <9619> [東証P]が続落。1日の取引終了後、集計中の25年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の92億円から102億7900万円(前の期比13.6%増)へ、純利益が57億円から66億5700万円(同45.7%減)へ上振れて着地したようだと発表したが、織り込み済みとの見方が強いようだ。売上高は1600億円から1549億2000万円(同12.1%増)へやや下振れたものの、主力の自動車リース関連事業で車両販売の販売単価が上昇したことに加え、燃料販売の仕入価格が安定したことが利益押し上げに寄与した。

■GMO-FH <7177>  748円 (-12円、-1.6%)

 GMOフィナンシャルホールディングス <7177> [東証S]が続落。1日の取引終了後に発表した第1四半期(1-3月)連結決算で、営業利益が42億2100万円(前年同期比3.0%減)と減益となったことが嫌気された。FX収益が増加した一方、CFD(差金決済取引)収益や金融収益が減少したことで、営業収益は129億7700万円(同0.7%増)にとどまった。また、広告宣伝費などの取引関係費やタイ王国での証券事業における貸倒引当金繰入額の計上により販管費が増加したことや、為替差損を計上したことなども利益を圧迫した。なお、25年12月期通期業績予想は非開示としている。

■高島屋 <8233>  1,100円 (-13.5円、-1.2%)

 高島屋 <8233> [東証P]が反落。1日取引終了後に発表した4月度の店頭売り上げ速報は、国内百貨店既存店合計が前年同月比4.8%減となった。インバウンド顧客について化粧品やスポーツ用品が前年からプラスとなったものの、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品がマイナスとなり、この影響が大きいという。これがネガティブ視されていた。

※2日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

株探ニュース


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