今週の【早わかり株式市況】6週ぶり反落、米金利上昇など嫌気し一時3万7000円割れ
■今週の相場ポイント
1.日経平均は6週ぶり反落、一時3万7000円割れ
2.ムーディーズが米国債格下げ、警戒感広がる
3.米金利上昇、トランプ氏の大型減税策も懸念
4.イスラエル・イラン対立巡り中東リスク台頭
5.週末に3回目日米交渉へ、様子見ムード強まる
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比593円(1.6%)安の3万7160円と、6週ぶりに下落した。
今週は総じて軟調な地合いが続いた。米国で長期金利が上昇し株価に下押し圧力が働くなか、日本株もこれに追随。前週まで5週続伸していた反動もあったとみられる。日経平均は一時3万7000円台を割り込む場面があった。
週明け19日(月)の東京株式市場は下落。前週末に大手格付け会社ムーディーズ・レーティングスが米国債の信用格付けを「Aaa」から「Aa1」に引き下げると発表。この影響を警戒する見方が広がった。売り一巡後に下げ渋るなど大きな下落にはならなかったが、この日夜の米国株市場の動向が意識されるなか積極的な売買は限られた。20日(火)は小反発。前日の米株市場で米債格下げの影響が比較的小さかったことを受けて警戒感が一旦後退したが、上値を買い進むにも手掛かり材料に乏しく方向感には欠けた。外国為替市場で円高方向に振れたこともネガティブ視された。とはいえ、押し目買いの動きは底堅く、大引けはわずかながらプラス圏で着地した。21日(水)は反落。前日の米株安の流れを引き継いだ。為替の円高も引き続き重荷となった。22日(木)も下落。前日の米株市場が米長期金利の上昇を嫌気して大幅安に。米債格下げの影響に加え、トランプ米大統領が掲げる大型減税策による財政悪化懸念が金利高に反映された。このほか、イスラエルとイランの対立先鋭化によって地政学リスクが台頭したことも買い手控えムードを助長した。23日(金)は反発。前日まで続落していたことから買い戻しの動きが出た。ただ、週末に3回目の日米関税交渉を控えるなか様子見ムードも強く、上げ幅は限定的となった。
■来週のポイント
来週は米長期金利と為替相場の動向に注意したい。米金利上昇が止まらないとなれば株式市場の調整も長引くことが予想されるため注目度が高い。また、米エヌビディア<NVDA>の決算発表が28日にあり、足もと回復基調にある半導体関連株の動向を左右するだけにこれも大きなポイントとなりそうだ。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される4月の完全失業率と有効求人倍率、および鉱工業生産が注目される。海外では27日に発表される米国5月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に発表される米国4月の個人所得と個人消費支出、31日に発表される中国5月製造業PMIに注視が必要だろう。
■日々の動き(5月19日~5月23日)
【↓】 5月19日(月)―― 4日続落、米国債引き下げで3万7500円割れ
日経平均 37,498.63( -255.09) 売買高16億7081万株 売買代金 3兆8215億円
【↑】 5月20日(火)―― 5日ぶり反発、米株高で買い先行も上値は重い
日経平均 37,529.49( +30.86) 売買高19億2356万株 売買代金 4兆4721億円
【↓】 5月21日(水)―― 反落、円高や地政学リスクが警戒され売り優勢
日経平均 37,298.98( -230.51) 売買高18億1276万株 売買代金 4兆1957億円
【↓】 5月22日(木)―― 続落、米株安や円高で3万7000円台割れ
日経平均 36,985.87( -313.11) 売買高16億7379万株 売買代金 4兆0935億円
【↑】 5月23日(金)―― 3日ぶり反発、防衛関連株を中心に買い優勢
日経平均 37160.47( +174.60) 売買高15億7815万株 売買代金 3兆9321億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、24業種が値下がり
(2)値下がり率トップはSOMPO <8630> など保険。金融株は日本取引所 <8697> などその他金融も安いが、楽天銀 <5838> など銀行は買われた
(3)輸出株はまちまち。メニコン <7780> など精密機器、キオクシア <285A> など電気は売られたが三菱重 <7011> など機械は高い
(4)内需株もまちまち。京成 <9009> など陸運、ファストリ <9983> など小売が下落し、三井倉HD <9302> など倉庫・運輸が上昇
(5)資源株は出光興産 <5019> など石油、INPEX <1605> など鉱業が軟調だが、フジクラ <5803> など非鉄は値上がり率トップに買われた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 親子上場
2(3) サイバーセキュリティ
3(15) 仮想通貨 ── ビットコイン高値更新で関心度急上昇
4(7) 量子コンピューター
5(6) 防衛
※カッコは前週の順位
株探ニュース
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