前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―



■バルクHD <2467>  230円 (+50円、+27.8%) ストップ高

 バルクホールディングス <2467> [名証N]がストップ高。年初来高値を更新した。同社は10日正午ごろ、グループのサイバージムジャパンがアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)環境を対象とした「AWSクラウドセキュリティトレーニング」の提供を開始すると発表。これが材料視されたようだ。このトレーニングは、人工知能(AI)データセンター・クラウドコンピューティングサービス向けサイバーセキュリティー対策支援の一環として提供するもの。サイバージムジャパンが独自に開発したAWSの疑似環境を用い、クラウド環境におけるサイバー攻撃への対処方法に重点を置いているという。

■ラクサス <288A>  222円 (+43円、+24.0%) 一時ストップ高

 ラクサス・テクノロジーズ <288A> [東証G]が続急騰、一時ストップ高となった。同社は9日、ABCash Technologies(東京都渋谷区)と業務提携契約を締結したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。両社は今年4月にShaaS(Sharing as a Service)を通じた事業連携に関する基本合意を発表しており、今回の業務提携は、その構想を具体的なサービス実装へと発展させるもの。業務提携により、ABCash社の顧客が持つ「賢く生きる力」と、同社が提案する「感性を磨く体験」が融合し、より実践的なお金との向き合い方や、豊かな選択の幅をユーザーに届ける体験が可能となるとしている。

■ブルーイノベ <5597>  1,623円 (+300円、+22.7%) ストップ高

 ブルーイノベーション <5597> [東証G]がストップ高。トランプ米大統領が前週末6日に、米国内でのドローンの開発や商業化などを促進するための大統領令に署名した。これを受け週明け9日の米株式市場において、「空飛ぶクルマ」の開発を進めるジョビー・アビエーション <JOBY> や、電動垂直離着陸機(eVTOL)関連のアーチャー・アビエーション <ACHR> が急騰した。米国での関連株の好反応を受け、10日の東京市場において ドローン関連株への物色意欲が一段と高まったようだ。Terra Drone <278A> [東証G]やLiberaware <218A> [東証G]、ACSL <6232> [東証G]が急伸していた。

■リバーエレク <6666>  500円 (+80円、+19.1%) ストップ高

 リバーエレテック <6666> [東証S]がストップ高。水晶振動子を主力とする電子デバイスメーカーで電子ビーム封止工法などの独自技術を強みとしている。業績は25年3月期に増収ながら営業赤字に沈んだが、26年3月期は車載向けや医療ヘルスケア向けの需要伸長を背景に回復が見込まれている。そうしたなか、同社は9日取引終了後に28年3月期を最終年度とする中期経営計画「R2027」の策定したことを発表した。最終年度の数値目標としては売上高が73億500万円(前期実績は56億9800万円)、営業利益は7億6900万円(同7500万円の赤字)を掲げており、これを評価する買いを呼び込んだ。

■ウィザス <9696>  3,220円 (+477円、+17.4%)

 ウィザス <9696> [東証S]が4日続急騰。9日の取引終了後、日本産業推進機構(NSSK)がウィザスに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株3237円で完全子会社化を目指す。ウィザスの株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせていた。買付予定数の下限は595万8100株(所有割合65.26%)で、上限は設定していない。買付期間は6月10日から7月22日まで。ウィザスは学習塾「第一ゼミナール」を展開。今回、TOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。同社を巡っては昨年12月、投資ファンドのスイスアジア・フィナンシャル・サービシズがファンドによる買収やMBO(経営陣が参加する買収)での株式の非公開化を提案したと報じられていた。スイスアジアは公開買付者との間で、応募契約を締結している。東京証券取引所は9日、ウィザスを監理銘柄(確認中)に指定した。

■PバンCOM <3559>  556円 (+80円、+16.8%) ストップ高

 ピーバンドットコム <3559> [東証S]がストップ高。9日取引終了後、センサーのデモ機開発支援サービス「gene(ジーン)」を通じて、ローム <6963> [東証P]との間でオンデバイスAIソリューション「Solist-AI」のエコシステムパートナー契約を締結したと発表した。これにより、エッジAIの迅速な試作・評価環境の構築を支援するという。これが買い材料視された。

■ANAPHD <3189>  1,114円 (+150円、+15.6%) ストップ高

 ANAPホールディングス <3189> [東証S]がストップ高。同社は9日の取引終了後、第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額のうち約80億円分は ビットコインの現物出資によるものとする。日本経済新聞電子版は同日、「ビットコイン建ての増資は初めての事例となる」と伝えたほか、更にANAPHDはビットコイン事業を開始し、中期的な保有やトレーディングとともに、関連ビジネス領域の開拓を図る方針を示した。一連の発表をサプライズ視した買いが入ったようだ。ANAPHDはネットプライス事業再生合同会社(東京都港区)やキャピタルタイフーン(同)を割当予定先に1株968円で新株を発行。QL有限責任事業組合(同)、Tiger Japan Investment(東京都渋谷区)、AEGIS(同千代田区)を割当予定先に1株250円で新株を発行する。払い込み額のうち、約76億2500万円分については、金銭債権の現物出資(デッド・エクイティ・スワップ、DES)による方法で実施。約80億円分は、キャピタルタイフーンによるビットコインでの現物出資による方法で割り当てる。このほか、ネットプライス事業再生合同会社などを割当予定先として新株予約権を発行。新株と新株予約権の発行を通じて調達した資金の合計約67億円については、運転資金やM&Aの資金、ビットコインの取得資金に充てる。ANAPHDはアパレルブランド「BASICKS」の取得と、エステ・リラクゼーションサロンを展開するTLC(東京都渋谷区)との業務提携も発表している。

■三社電機 <6882>  916円 (+65円、+7.6%)

 三社電機製作所 <6882> [東証S]が急反発。電源機器メーカーとして高い競争力を有し半導体はパワーデバイスで需要を獲得している。一方、防衛省とも以前から取引実績は豊富で、バックアップに使われるUPS(無停電電源装置)を納入している。同社の実質筆頭株主は三菱重工業 <7011> [東証P]であり、 防衛関連としての切り口で物色人気に火が付く格好となっていた。PBRは依然として0.5倍前後と解散価値の半値水準にあることから水準訂正狙いの買いが集中した。

■Bガレージ <3180>  1,687円 (+115円、+7.3%)

 東証プライムの上昇率4位。ビューティガレージ <3180> [東証P]が6日ぶり急反発。9日の取引終了後に発表した26年4月期連結業績予想で、売上高380億8000万円(前期比12.9%増)、経常利益18億3000万円(同15.5%増)を見込み、年間配当予想を前期比1円増の16円としたことが好感された。第3の物流拠点として夏ごろに本格稼働を予定している柏フルフィルメントセンターの早期の安定運用に注力することで、物流サービスの大幅なレベルアップを図る。また、ECサイトの利便性向上と商品ラインアップの拡充、店舗リースをはじめとしたソリューションサービスの強化を進めるとしている。なお、25年4月期決算は、売上高337億2100万円(前の期比13.0%増)、経常利益15億8400万円(同7.9%減)だった。同時に30年4月期に売上高620億円、経常利益40億円を目指す中期経営計画を発表した。美容サロン業界向けプラットフォーマー機能の最大化などを図るとしている。

■シンバイオ <4582>  183円 (+12円、+7.0%)

 シンバイオ製薬 <4582> [東証G]が続急伸。同社は10日、悪性リンパ腫を対象とした注射剤「ブリンシドフォビル」の国際共同臨床試験について、国内で1例目の患者登録を完了したと発表。新薬開発の前進を好感した買いが株価の支えとなったようだ。今後、香港やシンガポールにおいても患者登録を始め、今年末に向けて計画通り15症例の登録を進める方針を示している。

■資生堂 <4911>  2,514円 (+148円、+6.3%)

 東証プライムの上昇率7位。資生堂 <4911> [東証P]が4日ぶり急反発。同社は9日、肌の保湿に重要な役割を果たす成分である「天然保湿因子」を角層へ効率的に届け、留める革新的な「Reservoir in Skin」技術を開発したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。天然保湿因子は角層に浸透しにくく、日常の洗浄などによって簡単に流出するが、このほど天然保湿因子のひとつであるPCA(ピロリドンカルボン酸)を角層に届けて留めることに成功。保湿効果の向上や肌の滑らかさの改善が確認できたという。今後は研究成果を活用し、美しい肌へと導くソリューションの提供を目指すとしている。

■シンフォニア <6507>  8,750円 (+440円、+5.3%)

 東証プライムの上昇率10位。シンフォニア テクノロジー <6507> [東証P]が急反発。SMBC日興証券が9日、シンフォニアの目標株価を1万900円から1万1400円に増額修正した。投資評価は最上位の「1」を据え置く。防衛のコアサプライヤーとして、今後も案件に多く関われる企業だとしたうえで、次期練習機の開発や米ゴールデン・ドーム構想への日本の協力においても、同社が関与できる可能性は高いと指摘。加えて同証券はシンフォニアの27年3月期営業利益予想を従来の192億8400万円から205億1400万円に引き上げた。

■トビラシステ <4441>  1,018円 (+50円、+5.2%)

 トビラシステムズ <4441> [東証S]が続急伸。10日正午ごろに発表した4月中間期単独決算で、営業利益が5億2600万円(前年同期比20.2%増)となり、従来予想の4億1600万円を上回り一転増益で着地したことが好感された。売上高は13億7200万円(同18.9%増)だった。モバイル向けサービスで、前年のキャリア向け契約更改や金融機関などへのデータベース提供開始により、安定的な収益を確保したことに加えて、「トビラフォン Biz」でカスハラ対策商材としての需要が高まり、代理店の決算期に伴い販売が加速した。また、「トビラフォン Cloud」においても、質の高いリード獲得が進み、課金ID数が増加トレンドを継続した。なお、25年10月期通期業績予想は、売上高26億5000万円(前期比10.1%増)、営業利益8億3200万円(同横ばい)の従来見通しを据え置いた。

■トレファク <3093>  1,881円 (+90円、+5.0%)

 トレジャー・ファクトリー <3093> [東証P]が4日ぶり急反発。9日の取引終了後に発表した5月度の月次売上概況で既存店売上高が前年同月比5.2%増となり、45ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。不安定な天候が続いたものの、気温の上昇に伴い夏物衣料の販売が伸長したことや、白物家電の販売が伸びたことが寄与した。また、生活雑貨やホビー用品も堅調だった。なお、全店売上高は同13.3%増だった。

■アストロHD <186A>  718円 (+34円、+5.0%)

 アストロスケールホールディングス <186A> [東証G]が続急伸。10日の寄り前、連結子会社が所属する国の政府から防衛関連契約を受注したと発表しており、好材料視された。契約金額は3900万円で、その他の具体的な内容は非開示という。なお、業績に与える影響は軽微としている。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース


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