【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 企業の潜在的な成長力を見抜く目を!



「企業の潜在的な成長力を見抜く目を!」

●環境不透明な時こそ心に置くべきこと

 現在の株式市場は、不透明要因がなお払拭できない状況にある。まずトランプ政権による関税引き上げ協議がもたらす影響は依然として読み切れない。さらにはパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長が近く利下げに踏み切るのかどうか、この点についても明らかになっていない(もちろん、当たり前のことなのだが……)。

 しかし、投資する立場からすると、これでは投資には積極的になりにくい。こうなってしまう。こうした環境では、われわれは不安心理に陥りやすく、無理に買い急いで、失敗のリスクを高めたりなどもしてしまう。実際には魅力的とはいえない銘柄であるのに、それが急騰したりすると、そんな銘柄にすがってしまうことも多い。

 だが、企業は世界恐慌に巻き込まれたりしない限り、日々の市場変動に振り回されることなく、淡々と日常の業務を続けていく。そうやって厳しい国際環境の中にあっても独自の経営戦略を磨き、消費者に強く支持されるビジネスモデルを展開している企業は数多く存在する。例えば、生活必需品やインフラ分野に根ざした企業は外部環境に左右されにくく、安定的な収益基盤を維持している。

 また、DX(デジタルトランスフォーメーション)や環境対応といった成長分野で独自の技術やサービスを持つ企業は、世界的な潮流に乗り、着実に売上高や営業利益を伸ばしている。このような成長企業は、中長期的に株価上昇が期待でき、キャピタルゲインを狙う投資家にとって格好の対象となる。

●丁寧な検証が大きな成果への指針をもたらす

 重要なのは、短期的な市場のノイズに惑わされずに、企業の本質的な成長力を見極める姿勢を持ち続けることだ。四半期ごとの決算で堅調に増収増益を続けているのか、競争優位性を持つ製品やサービスを展開しているか、経営陣が一貫した戦略を維持しているか、といった点を丁寧に検証することにより、それを知るようにしたい。つまり、今後も外部環境の不安定要因は続くだろうが、潜在的な成長力を見抜くことでその企業に注目し、押し目を狙って仕込む。こうすることで大きな成果を得ることが可能なのであり、今回は次のような銘柄を紹介したい。

 まずはTIS <3626> [東証P]だ。いま株式市場で新たなテーマに育ちつつあるのが、「ステーブルコイン」になる。暗号資産(仮想通貨)の一種で、これまでの暗号資産は価格が激しく変動し、よほどの投資技術を持たない限り、安定的な利益は得られにくかったのに対し、こちらは売買しやすい。ビットコインなどは発行のベース(裏付け)になるものがなく、単に値動きだけを見て売買するものであるのに対し、ステーブルコインは法定通貨や金価格などに連動するよう設計されている。そのため安全度が高く、今後は金融機関などでも活用が進む方向にある。独立系のシステム開発企業であるTISは、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]とステーブルコインの事業化を目指すことで基本合意している。株価は目先高値圏ながら事業化はこれからなので、株の上昇余地は大きいと見てよい。

 猛暑で外出どころではないため、正直運動不足を感じている。そこでフィットネスクラブなどを覗いてみるのだが、通うまでには至っていない。私が興味を持っているのは24時間制のジムだ。この分野でいま快進撃中なのが、フィットイージー <212A> [東証S]。岐阜市に本社を置き、 全国に店舗を展開中だ。フランチャイズチェーン(FC)で実に年間40店以上を出店(今期は57店を計画)しており、今後数年はこのペースを維持できるとみられるため、株価の伸びもこれからとなろう。

 人材紹介のジェイエイシーリクルートメント <2124> [東証P]も、参入障壁が低いため数えきれないほどの企業がひしめく人材サービス業界で、異例の成長を続けている。ハイクラスの人材紹介に強く、特に外資系の人材紹介で定評があるだけに、今後の伸びしろは大きいといえる。

 有名アーティストたちのファンサイト運営やコンサートの電子チケットの販売に強いエムアップホールディングス <3661> [東証P]も、いまはどんどん利益を伸ばしている。アーティスト人気は永遠だ。当然、ファンサイトの運営も拡大を続けているし、コンサートなどイベントの電子チケット販売も好調。株価はこれまた高値圏ながら、熱いファンたちが収益に寄与し、株価を押し上げてくれることだろう。

 低位株にも目を向けておこう。アイスタイル <3660> [東証P]がある。化粧品、美容情報サイト「アットコスメ」を運営するとともに、店舗やECでの化粧品販売にも注力する。米アマゾン・ドット・コム<AMZN>が筆頭株主になっていることを考えると、株価は評価不足過ぎるだろう。

2025年8月22日 記

株探ニュース


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