前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―
■多木化学 <4025> 3,845円 (+125円、+3.4%)
多木化学 <4025> はマドを開けて上放れ、年初来高値を更新した。同社は8日の取引終了後、環境配慮型製品である水処理薬剤の超高塩基度ポリ塩化アルミニウム「PAC700A」の販売強化の計画に伴う製造設備の増強を発表しており、将来的な業績への貢献を期待する買いが入った。PAC700Aは従来型製品と比べ凝集性能が高く、薬剤使用料の低減などによる経済的なメリットに加え、気候変動に伴う原水水質の悪化に対応できる環境配慮型の水処理薬剤として普及を進めてきた。全国的に需要が増すなか、九州工場(北九州市若松区)の生産能力が上限に近づいている。このため約3億円を投じて生産能力を2倍に引き上げ、中国・九州地域の需要増に対応する。2027年3月に完成する予定。また、関西・中京地区の需要増も同様に見込まれており、本社工場(兵庫県加古川市)の生産能力の拡充も早期に行う。
■フレアス <7062> 890円 (+26円、+3.0%)
フレアス <7062> は3日ぶりに反発。8日の取引終了後、26年3月期第2四半期に補助金収入による営業外収益を計上すると発表したことが好感された。厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」に関して、補助金収入1億円を営業外収益に計上する。なお、26年3月期上期業績予想に与える影響は精査中としている。
■ギフティ <4449> 1,242円 (+28円、+2.3%)
ギフティ <4449> が7日ぶりに反発。8日の取引終了後、自治体・地域の課題を解決するデジタルプラットフォーム「e街プラットフォーム」の6月末時点の導入自治体数が累計212自治体、導入事業数が217件になったと発表しており、好材料視された
。「e街プラットフォーム」は、電子商品券を活用した各種施策の一元管理を実現する自治体向けソリューション。16年5月のローンチ時には、地域通貨の電子化及び運用を目的に採用されていたが、その後、地域で利用可能な電子商品券を「旅先納税」の返礼品として流通させる施策や、新型コロナ緊急経済支援を目的としたプレミアム付き電子商品券事業、観光需要喚起を目的とした全国旅行支援事業やインバウンド事業、子育て支援を目的とした地域商品券事業などさまざまな取り組みの基盤として活用されている。なお同社では、引き続き地域経済活性化の手段として、全国の自治体及び地域に根ざした事業会社への「e街プラットフォーム」の提供を推進するとしている。
■幸楽苑 <7554> 1,084円 (+21円、+2.0%)
幸楽苑 <7554> は続伸。8日取引終了後に売り上げ推移速報を発表。8月度の直営店既存店(国内)の売上高は前年同月比12.4%増とプラス基調を継続した。客数も同10.6%増と好調だった。全店ベースでは同8.7%増だった。これが好感された。
■ヨネックス <7906> 4,085円 (+75円、+1.9%)
ヨネックス <7906> は高い。SMBC日興証券が8日付で投資評価「1(アウトパフォーム)」を継続したうえで、目標株価を3000円から4600円へ引き上げた。これが材料視された。同証券によると、市場成長とシェア拡大で売り上げモメンタムが非常に強いと評価。切り上がったバリュエーションは許容範囲内とみるという。
■スズキ <7269> 2,091円 (+37円、+1.8%)
スズキ <7269> が上場来高値を連日で更新した。SBI証券が8日、スズキの目標株価を2700円から3000円に増額修正した。投資判断は「買い」を継続する。インドのモディ首相が物品・サービス税の引き下げ計画を発表したことを受け、同国での新車販売が大きく改善し、成長に転じるとの見方を示した。同証券はスズキの27年3月期の営業利益予想をこれまでの6350億円から6700億円に引き上げている。
■アトラエ <6194> 835円 (+15円、+1.8%)
アトラエ <6194> が7日続伸、約1ヵ月ぶりに年初来高値を更新した。成功報酬型のIT・エンジニア向け求人メディア「Green」を展開しており、生成AI市場の拡大とともにIT人材に対する需要が急増するなかで商機を捉えている。25年9月期営業利益は前期比8%増の18億円予想と連続過去最高更新が見込まれている。また、株主還元にも積極的な姿勢が注目されており、今期年間配当は期末一括で31円と前期実績から10円の増配を計画、配当利回りも3.7%近くに達している。9月期末に向けた配当権利取りの動きも絡め、投資資金の継続的な流入が観測される状況にある。
■日立製作所 <6501> 3,976円 (+45円、+1.1%)
日立製作所 <6501> が4日続伸。この日、鉄道システム事業を担う日立レールが米国現地時間8日、メリーランド州で鉄道車両製造の最先端のデジタル工場を本格稼働させたと発表しており、好材料視された。同社にとって北米最大級の車両工場となる同工場は、総投資額1億ドル(約148億円)で、うち3000万ドル以上をデジタル強化に投資し、高品質な生産と顧客価値の創出に重点を置いて設計。米国のワシントンD.C.地域やボルチモア、フィラデルフィアなどの北米各地の顧客向けに鉄道車両を製造・納入する予定としている。
■三菱電機 <6503> 3,700円 (+41円、+1.1%)
三菱電機 <6503> が4日続伸。8日の取引終了後に希望退職者の募集を発表した。満53歳以上で勤続3年以上の正社員及び定年後の再雇用者を対象としており、募集人員は定めていない。人員構成上の課題に取り組み、人員構成の最適化に取り組むという。業績への影響は不明としているが、構造改革の進展を前向きに評価した買いが入ったようだ。
■大王製紙 <3880> 911円 (+10円、+1.1%)
大王製紙 <3880> が後場終盤に上げ幅を拡大。午後3時ごろ、26年3月期第2四半期に特別利益を計上すると発表したことが好感された。子会社いわき大王製紙で22年9月6日に発生したボイラ損壊事故にかかる保険金額が確定したのに伴い、受取保険金63億3400万円を特別利益として計上する。なお、通期業績予想への影響は他の要因を含めて現在精査中としている。
■IHI <7013> 16,020円 (+165円、+1.0%)
IHI <7013> が続伸。8日の取引終了後、英グローバル・サテライト・ビュー社と熱赤外線衛星コンステレーションの構築で協力すると発表。同時に、英サリー・サテライト・テクノロジー(SSTL)社と地球観測衛星コンステレーションの構築に関して協力することで合意したと発表しており、これらを好感した買いが入った。グローバル・サテライト社は、熱赤外線(IR)センサを搭載した小型衛星を開発・運用する英国を拠点とするスタートアップ。今回の協力合意に基づき、IHIとグローバル・サテライト社は高解像度IR画像の活用方法を検討し、IR衛星コンステレーションの要件を定義するとともに、日本でのIR衛星コンステレーションの整備や国内での衛星製造を見据えた最適な事業スキームを検討する。これにより、日本の国家安全保障及び経済安全保障市場に向けたIR衛星コンステレーションの主権性を確保し、更に軍民両用のユースケースの探求を目的とした協力体制を構築するとしている。一方、SSTL社はエアバスグループの防衛・宇宙事業部門に属する企業で、これまでに英国及び世界各国の政府機関や軍向けに70基以上の小型・中型衛星を開発・製造・運用している。IHIは軌道上での運用で確かな実績を持つSSTL社の衛星技術を活用し、日本の情報収集・監視・偵察(ISR)能力の強化を目指すとしている。
※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース
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