【杉村富生の短期相場観測】 ─短期的な警戒日は9月17日、22日、10月4日!



「短期的な警戒日は9月17日、22日、10月4日!」

●日米両市場ともにピークアウトのタイミング!

 自民党総裁選が実施される。9月22日告示、10月4日投開票のスケジュールだ。新総裁(次期首相)次第によっては株価が波乱となる可能性がある。これには警戒を要する。昨年9月は9人が立候補したが、現在の「ポスト石破」候補は5人に絞られている。すなわち、小泉進次郎、小林鷹之、高市早苗、林芳正、茂木敏充の各氏である。

 昨年の総裁選(第1回目投票)での得票数は高市氏181票、小泉氏136票、林氏65票、小林氏60票、茂木氏47票だった。国民(党員・党友)の人気は高市、小泉の両氏が突出している。順当にいけば(高市氏は昨年の20人の推薦人のうち衆院選、参院選で9人が落選・不出馬→推薦人集めに苦労?)、高市VS小泉の争いとなろう。

 今回は国会議員票295、党員・党友票295、計590票の獲得を競う。フルスペック方式だ。旧派閥・グループでは麻生派、旧二階派、旧岸田派、旧森山派が「小泉支持」に回る、とみられている。このため、大手証券では「大勢は決した」(まだ、小泉氏は正式な立候補の意思表示をしていないのに)とのレポートが出されている。

 ただ、高市氏、茂木氏は積極財政論者だが、小泉氏は緊縮財政派に属する。ここ数カ月、株高の背景(外国人買いの根拠)に減税・財政出動(ドラスチックな政策転換)への期待があった。これが崩れると、株価は10月4日にピークアウトする、その可能性を否定できない。高市氏不出馬の場合、9月22日に「天井形成」となる。

 一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月16~17日のFOMC(公開市場委員会)において、0.25%(25ベーシスポイント)の利下げに踏み切るだろう。ただし、これはほぼ100%株価に織り込まれている(11日のNYダウは617ドル高の4万6108ドルと急騰)。アメリカ市場は短期的に「材料出尽くし」に陥る場面があろう。

●打たれ強い銘柄にマトを絞る!

 アメリカの金融政策は次期FRB議長の選任作業に移る。パウエル議長の任期は2026年5月15日までだ。次期議長候補はNEC(国家経済会議)のハセット委員長、ウォラーFRB理事、ウォーシュ元FRB理事の3氏である。いずれも金融緩和論者だ。パウエルFRB議長はかなりプレッシャーを受けると思われる。

 もちろん、FRBの「トランプ化」(独立性の侵害)は予期せぬ金利上昇、ドル不安を誘発する可能性がある。すでに、金価格が急伸しているが、これには「ドル離れ」の動きがあろう。この場合、円高圧力につながる。まあ、トランプ大統領にとっては中央銀行の独立性など、そもそもあってないようなもの、という感覚だろうが……。

 物色面はどうか。万人総強気に傾いている状況下では逆に、慎重に対処したいと思う。もちろん、短期的な視点である。繰り返しになるが、警戒を要するのは9月17日、9月22日、そして10月4日である。ここはとりあえず、利食い優先(現金比率を高める)とともに、打たれ強い銘柄にマトを絞っておくべきだ、と判断する。

 具体的には思惑妙味を有しているシンクロ・フード <3963> [東証P]、SMN <6185> [東証S]、農業総合研究所 <3541> [東証G]、ジオスター <5282> [東証S]はどうか。業績はいまひとつの企業もあるが、アクティビストをはじめ、事情通の買いが入っている。下値不安は乏しい。

 材料株ではハイリスク(プロ向き)のデータセクション <3905> [東証G]、コンヴァノ <6574> [東証G]に注目できる。データセクションは7月11日に4320円の上場来高値をつけたあと、9月12日には1868円の安値まで売り込まれている。連日のストップ安だ。新株予約権の発行(潜在株式数は4400万株、発行済み株式数に対し最大199.07%)が嫌気されている。下値のメドは1250円だろう。

 コンヴァノは9月10日高値の351円から12日には219円の安値をつけた。やはり、急落している。総額200億円のビットコイン購入、 データセンター事業進出など、やることが奇想天外である。ただ、データセクションは、筆頭株主のシンガポールのFirst Plus Financial Holdingsを割当先とする新株予約権の発行により手取り概算で547億7000万円を調達する。この資金はAIデータセンター事業における設備投資資金や運転資金などに充てる。

2025年9月12日 記

株探ニュース


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