【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─黄金の3カ月が始まる!短期調整にはリバウンド狙いで臨む



「黄金の3カ月が始まる!短期調整にはリバウンド狙いで臨む」

●トランプ効果により過熱感なき上昇相場に

 いよいよ期待の10~12月相場が始まる。毎年この時期になると私は「これから黄金の3カ月が始まる」とぶち上げる。もちろん、根拠があってのことだ。実際、10~12月相場は上昇することが多い。昨年(2024年)は保ち合いに終わったものの、23年は期待に十分応えてくれた。22年は保ち合い、21年は反落したものの、19年と20年は上昇だった。だから今年も絶対上昇するとはもちろんいえない。また、例年調整してしまう9月相場が、今年は想定を超える上昇をみせたこともあり、10~12月はその反動が出る恐れがある。

 しかし、現在の上昇を支えているのが、米国の金融緩和であることを考えると、今年の残り3カ月も引き続き期待を持つことができ、「黄金の3カ月相場」になってくれる可能性は高いと見ている。それに届かなかった場合でも、「シルバー3カ月相場」にはなってくれるだろう。

 なにより好ましいのは、過熱感がないことだ。多くの投資家が現在の株高に懐疑的であり、「なぜこんなに高いのだ。分からん。トランプ米政権のやり方はめちゃくちゃ、世界に混乱を引き起こしているというのに……」――こんな思いで投資していると見てよい。

 ここで明らかなのは、トランプ米大統領が市場の過熱を抑える働きをしてくれていること。バブル崩壊の最大要因は、市場の熱狂と過熱だ。しかし、いまはトランプ大統領の特異なキャラクターと政策により、市場はしょっちゅう小幅に反落し、短期間でそこから反発、そしてまた反落……というパターンを繰り返している。正直、これほどくみしやすい相場はなく、週明けからはまた押し目からのリバウンドを演じる銘柄への投資に取り組みたい。

●「もったいない」で異彩放つ松田産業、後払い決済のネットプロなどを

 そこで具体的には、まずはダイフク <6383> [東証P]だ。貨物の保管・運搬システムの構築と運用で、世界首位級の企業。いまは米国の関税引き上げが世界の物流に想定外の影響を及ぼしているものの、だからこそ輸送の効率化が一段と求められる。ダイフクはこのニーズを満たしているのだ。株価は急騰こそないものの、堅実高が見込める。

 次は、松田産業 <7456> [東証P]になる。この会社はまったく異なる2種類の事業を展開している。一つは電子部品から金などの貴金属を取り出す事業、そしてもう一つはすり身の加工・卸業だ。投資の対象となるのは、電子部品から貴金属類を回収する、いわゆる「都市鉱山」事業であり、いまは金価格の上昇が続いているばかりか、白金やその他レアメタルの価格上昇もあり、株価はまだ上昇余地ありと見る。そもそもこの会社は、写真感光材料などから銀を回収・リサイクルする貴金属関連事業と、使われていなかった卵の白身を練り食品などのつなぎとして利用する食品関連事業から出発した会社。廃棄されていたものを「もったいない精神」で生かす技術に徹している。株はもっと評価されてよい。

 造船と聞くと、私は反射的に中国塗料 <4617> [東証P]を思い浮かべてしまうのだが、もちろん造船関連株には他にも有望株がある。古野電気 <6814> [東証P]もその一つだ。魚群探知器や電子海図など、船舶用各種機器類に強い企業だ。いま、造船業界は造船ラッシュであり、同社も多額の受注残を抱えている。これだけでも買い材料になり得るのだが、他にも大きな支援材料がある。すでによく知られているように、米国が防衛力強化のために造船業の米国進出を促していることだ。日本政府もこの要請には前向きであり、当然この会社の製品も採用される――こう見てよいため、株の小反落を見逃さないようにしたい。

 小型株にも目を向けておくと、ネットプロテクションズホールディングス <7383> [東証P]がある。 後払いシステムの先駆企業として知られ、当初は少なかった利用者が急増しており、ネットプロテクションズの存在感も高まっている。まだ知名度は低いものの、株価は上昇トレンドを継続中であり、ウォッチ対象としてマークをお勧めしておきたい。

 最後に、味の素 <2802> [東証P]を。すでに取り上げたことがあり、そのたびに強調するのは、この会社が得意とするのは食品調味料だけではないことだ。子会社が意外な製品を製造しているのだ。半導体の絶縁材として使われるビルドアップフィルムがそれになる。この製品、味の素が実にほぼ100%のシェアを有しているのだ。つまり一社独占。こんな製品を持っていたら絶対有利だ。株価の値動きはスローながらさらなる着実高が見込める。

2025年9月26日 記

株探ニュース


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