【緊急インタビュー】高市新総裁で日経平均急騰、ここからの読み筋 松井証券・窪田朋一郎氏 <相場観特集>



―2000円超える上げ幅で一時4万8000円台、リスクオン相場どこまで―

 6日の東京株式市場は日経平均株価が上げ足を加速、一時2400円近い上昇をみせ一気に4万8000円台に乗せるなど最高値圏を快走している。4日に投開票が行われた自民党総裁選では、事前の予想で圧倒的優位とみられていた小泉進次郎氏を高市早苗氏が逆転する形で勝利を収め、新総裁の座を射止めた。これを受け、東京市場はリスクオン一色に染まっているが、ここからもこの強気一辺倒の相場は続くのか。また、今の上昇相場に死角はないのか。今後の相場展望と投資対象について、松井証券の窪田朋一郎氏とフィリップ証券の笹木和弘氏にそれぞれインタビューした。

●「高市効果とAI関連人気で一段の上値余地」

窪田朋一郎氏(松井証券 投資メディア部長 シニアマーケットアナリスト)

 高市氏の自民党総裁選での勝利を受けて全般相場は強気一辺倒の地合いとなっているが、日経平均の上昇は売買代金トップとなっているアドバンテスト <6857> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]の AI・半導体関連の主力3銘柄で約900円分押し上げられている状況だ。AIバブル形成の動きはまだ途上にあり、これらの銘柄の上昇波動が継続する限り、日経平均の上値も伸びることになる。上値メドは予想しづらいが、早晩5万円大台まで水準を切り上げるようなケースがあってもおかしくはない。

 俗に高市トレードと言われるが、アベノミクス継承者といわれる高市新総裁のもとで想定されるのは円安・株高・債券安(金利上昇)である。順にみていくと、足もとでドル・円相場が急速に円安に振れたほか株式市場も大きく上昇しているが、債券市場は今のところ様子見状態にあり、10年債利回りは1.6%台でどっちつかずの動きとなっている。高市氏は財政拡張と同時に金融緩和政策を支持するスタンスにあり、その思惑から10月利上げ見送り観測も出ている。今後中期視野に立って日銀の金融政策がハト派的な方向に振れた場合は、それを反映して10年債利回りも上昇しにくくなる。ただし、財政バランスが悪化することを嫌気して、20年債や30年債など超長期債は売りの対象となりやすい。この年限での金利は上昇基調を強める傾向となることも予想される。

 注目しておくのはやはり10年債利回りで、現状の1.6%台で推移している状況であれば株式市場の重荷とはならないが、これが1.7%台に入ってくると注意を要する段階とみている。更に2%を上回るような局面となれば、株式市場の上昇トレンドにストップがかかる公算が大きくなる。現時点で日経平均の上値を予想するのは難しい面があるが、10年債利回りの動向に気を配っておくことが肝要となる。

 物色対象としては、やはり日経平均の牽引役であるアドテスト、ソフトバンクG、東エレクなどの構成比上位銘柄は、今のAI相場が続く限りは株価も上値指向が担保される銘柄としてマークしておきたい。また、これ以外に米オープンAIと電力関連技術などで提携する日立製作所 <6501> [東証P]や、エヌビディア<NVDA>とAI向け半導体を共同開発する富士通 <6702> [東証P]なども株価の先高期待が強まる可能性がある。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
松井証券に入社後、WEBサイトの構築や自己売買担当、顧客対応マーケティング業務などを経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウォッチし続け、個人投資家の売買動向にも詳しい。日々のマーケットの解説に加えて、「グロース市場信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」など、これまでにない独自の投資指標を開発。また、投資メディア部長としてYouTubeチャンネルやオウンドメディア「マネーサテライト」を運営。

株探ニュース


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