話題株ピックアップ【昼刊】:レーザーテク、SCSK、NEC


■レーザーテック <6920>  28,575円  +5,000 円 (+21.2%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率トップ
 レーザーテック<6920>がストップ高の水準となる前営業日比5000円高の2万8575円に買われ、年初来高値を更新した。28日に通期業績予想の上方修正と自社株買いを発表したアドバンテスト<6857>の株価は翌29日にストップ高を演じた。同日の米株式市場ではエヌビディア<NVDA>が5連騰で史上初めて時価総額5兆ドル台を達成するなど、半導体関連株への物色意欲がグローバルで高まっている。極端紫外線(EUV)マスクブランクス検査装置を手掛けるレーザーテクに関しては「アドテスト株に続く急騰銘柄を探す動きが広がるなかで、同社の一部カバレッジ・アナリストによる投資判断の引き上げと目標株価3万5000円の設定が伝わったことが刺激材料となった。31日に決算発表を控えていることもあって、思惑的な資金が流入したようだ」(国内証券の投資情報担当者)との声が出ている。

■かわでん <6648>  9,590円  +1,500 円 (+18.5%) ストップ高買い気配   11:30現在
 かわでん<6648>はストップ高水準の9590円でカイ気配となっている。29日の取引終了後、26年3月期の単独業績予想の上方修正を発表した。売上高予想を従来予想の255億円から268億円(前期比10.7%増)、営業利益予想を26億円から40億円(同54.5%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各95円の年190円から同各145円の年290円(前期は190円)に100円増額した。今期配当には創業100周年の記念配当20円が含まれている。好業績の見通しと株主還元姿勢を好感する買いを引き寄せている。半導体関連含む大型工場や首都圏を中心とした市街地再開発事業などの堅調な建設需要により売上高は当初の想定を上回る見込み。利益面は採算性の高い大型案件の売り上げが増えたほか、価格の調整が利益に寄与。同時に第2四半期累計(4~9月)の業績予想の上方修正も発表しており、10月以降も同様の順調な状況が続くとみている。

■SCSK <9719>  5,107円  +773 円 (+17.8%) ストップ高買い気配   11:30現在  東証プライム 上昇率2位
 SCSK<9719>がストップ高の水準となる5107円でカイ気配となっている。住友商事<8053>は29日の取引終了後、SCSKに対し完全子会社化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株5700円で、SCSKの株価はこれにサヤ寄せする動きをみせている。買付予定数の下限は5034万7400株で、上限は設定しない。TOB成立後、所定の手続きを経て、SCSKは上場廃止となる見通し。SCSKはTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨している。住友商はデジタル・AI関連の事業強化につなげる方針。買収資金はブリッジローンで調達し、その後中長期年限の銀行借り入れや普通社債などに順次切り替えていく。東京証券取引所は29日、SCSKを監理銘柄(確認中)に指定した。

■Genky <9267>  5,400円  +705 円 (+15.0%) ストップ高   11:30現在  東証プライム 上昇率3位
 Genky DrugStores<9267>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は29日取引終了後、26年6月期第1四半期(6月21日~9月20日)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比28.3%増の29億1600万円となり、上半期計画の52億7000万円に対する進捗率は55.3%となった。売上高は同12.0%増の560億4200万円で着地。客数の増加が売り上げ増につながった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。また、10月度の月次営業速報もあわせて発表。既存店売上高は前年同月比1.8%増、全店ベースの売上高は同7.9%増だった。

■日本アビオニクス <6946>  5,500円  +705 円 (+14.7%) ストップ高   11:30現在
 日本アビオニクス<6946>に物色人気集中、カイ気配のまま5000円台に駆け上がり8月5日に形成した年初来高値5420円も視界に捉える展開となっている。防衛・産業用機器メーカーで、レーダー装置などをはじめとする電子機器などは陸・海・空自衛隊向けに納入実績が豊富。信号・画像処理技術を活用した情報システムなどで評価が高く、防衛予算の増加は同社の収益機会の拡大につながる。そうしたなか、29日取引終了後に26年3月期の業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の32億円から40億円(前期比43%増)に大幅増額修正し、過去最高利益予想を更に大きく上乗せする状況となっている。これがポジティブサプライズとなり、改めて投資資金の攻勢を誘っている。

■NEC <6701>  5,756円  +652 円 (+12.8%)  11:30現在  東証プライム 上昇率5位
 NEC<6701>はカイ気配スタート。29日取引終了後に4~9月期連結決算を発表。売上高は1兆5697億円(前年同期比5.6%増)、営業利益は1185億7000万円(同2.7倍)だった。主力のITサービス部門は官公庁向けが増収を牽引し、DX支援サービス「ブルーステラ」も収益性向上に貢献した。社会インフラ部門は航空宇宙・防衛分野が伸長した。好決算に伴い通期見通しを引き上げた。これを好感した買いを呼び込んでいる。あわせて、テレコム・ブロードバンド事業者向けソフトウェア企業の米CSGシステムズ・インターナショナル<CSGS>を約4417億円で買収すると発表した。米国での事業拡大を図る狙いがある。買収完了時期は2026年中を予定している。

■PI <4290>  658円  +46 円 (+7.5%)  11:30現在  東証プライム 上昇率9位
 プレステージ・インターナショナル<4290>が大幅高で3日ぶりに反発している。29日の取引終了後に発表した9月中間期連結決算が、売上高344億円(前年同期比11.8%増)、営業利益42億5600万円(同14.1%増)、純利益26億6200万円(同19.3%増)と2ケタ増益となったことが好感されている。主要セグメントの既存事業がおおむね堅調に推移したことが業績を牽引、人件費の上昇やアシスタンス事業における協力会社への支払い単価上昇などがあったものの、カスタマー事業の収益性改善や金融保証事業の成長などにより利益を押し上げた。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高700億円(前期比9.9%増)、営業利益85億円(同6.8%増)、純利益53億円(同8.8%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を145万株(自己株式を除く発行済み株数の1.15%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視されている。取得期間は11月10日から来年3月24日までで、株主還元策の一環として実施する。

■正興電機製作所 <6653>  2,171円  +143 円 (+7.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位
 正興電機製作所<6653>の上げ足鮮烈、前日は6日ぶりに上昇一服となっていたが、きょうは押し目を待っていた向きの買い攻勢が寄り付き直後から一気に強まり、新値街道への復帰を果たした。生成AI市場の拡大で世界的なAIデータセンターの増設需要が浮き彫りとなってきた。そのなか、電力受変電設備分野に強みを持ち、IoT技術を駆使したソリューションをベースに制御・情報システムなどで実績の高い同社は、データセンター関連の有力株として頭角を現している。25年12月期は営業利益段階で前期比29%増の26億円と過去最高を大幅更新する見通しにあるが、依然として15倍前後のPERは割安感が漂う。

■AREホールディングス <5857>  2,448円  +153 円 (+6.7%)  11:30現在
 AREホールディングス<5857>は続騰し上場来高値を更新している。29日の取引終了後、26年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算の発表にあわせて、通期業績予想を上方修正した。売上高を従来予想の4481億9900万円から5170億円(前期比2.1%増)、営業利益を220億円から300億円(同50.1%増)、最終利益を161億7900万円から216億円(同50.8%増)に引き上げた。同時に年間配当予想は中間・期末各40円の年80円から同各60円の年120円(前期は80円)に40円増額した。業績の好調な推移と株主還元姿勢を評価する買いが流入している。第2四半期累計(4~9月)は、売上高が2382億3900万円(前年同期比0.9%減)、営業利益が153億3200万円(同84.3%増)、最終利益が108億4900万円(同64.3%増)になった。貴金属リサイクル事業で金価格の上昇により金の販売額が想定以上に伸びたことで売上高が計画を超えた。加えて、米欧の金銀市場の需給変動を背景に裁定取引の成果が過去最大になったうえ、米国への金銀流入量の増加に伴い倉庫分野における保管量が増えたことなどが利益を押し上げた。中間期の業績と足もとの事業環境を踏まえ、通期の業績予想を上方修正した。

■山一電機 <6941>  4,435円  +220 円 (+5.2%)  11:30現在
 山一電機<6941>が5連騰で新値街道をまい進している。上げ足の強さも目立ち、きょうの高値4405円まで5営業日で700円を超える上昇で20%も水準を切り上げた。テキストから動画へと生成AI市場が加速的に広がりを見せているが、一方ではAIが自律的な判断で動くAIエージェントなどもマーケットの視線が向かっている。こうしたAI技術をロボティクス分野と融合して現実空間に取り込んでいこうとする「フィジカルAI」という概念に世界のビッグテックが食指を動かしている。今月8日、ソフトバンクグループ<9984>がスイスの重電大手ABBからロボット事業を買収することを発表したが、これはフィジカルAIの開発に向けた布石として注目されている。山一電機は半導体検査用やコネクター・実装用として使うICソケットで世界シェア約40%を有するグローバルニッチトップだが、フィジカルAIの市場が立ち上がれば、ロボット向けコネクターソリューションで活躍が期待されている。投資指標面でもPER15倍弱にとどまり、ハイテク系成長株としては割安感が強く、一段の上値余地が意識されている。

■東映アニメーション <4816>  3,095円  +113 円 (+3.8%)  11:30現在
 東映アニメーション<4816>が反発している。29日の取引終了後に発表した9月中間期連結決算は、売上高449億5400万円(前年同期比8.2%減)、営業利益166億3800万円(同2.1%減)、純利益129億8000万円(同6.2%増)と減収、営業減益となったものの、従来予想の営業利益162億円を上振れて着地しており、これを好材料視した買いが入っている。前年同期の業績に貢献した「スラムダンク」「ゲゲゲの鬼太郎」などの国内外配信権販売や「スラムダンク」をはじめとする商品販売の反動減から減収となった。ただ、収益性の高い海外版権事業の好調と自社作品の国内外ビジネスの拡大が寄与し、営業利益は小幅減益にとどまった。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高880億円(前期比12.7%減)、営業利益260億円(同19.8%減)、純利益191億円(同19.1%減)の従来見通しを据え置いている。

■JFEシステムズ <4832>  1,892円  -283 円 (-13.0%)  11:30現在
 29日に決算を発表。「今期経常を11%下方修正」が嫌気された。
 JFEシステムズ <4832> [東証S] が10月29日大引け後(15:30)に決算を発表。26年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比19.3%減の27億円に減った。併せて、通期の同利益を従来予想の64億円→57億円(前期は76.6億円)に10.9%下方修正し、減益率が16.5%減→25.7%減に拡大する見通しとなった。

■グッドコムアセット <3475>  1,354円  -171 円 (-11.2%)  11:30現在  東証プライム 下落率トップ
 グッドコムアセット<3475>など10月期決算銘柄に安いものが目立つ。きょう30日は10月期末の配当と株主優待の権利落ち日にあたることから、処分売りの動きが優勢となっているようだ。美容室運営のAB&Company<9251>、「蔦屋書店」を展開するトップカルチャー<7640>、住宅メーカーの土屋ホールディングス<1840>のほか、猟銃製造のミロク<7983>なども下落している。

■ノジマ <7419>  1,160円  -133 円 (-10.3%)  11:30現在  東証プライム 下落率2位
 ノジマ<7419>が大幅安で3日続落している。この日の寄り前に発表した9月中間期連結決算で、経常利益が306億2100万円(前年同期比42.8%増)となり、第1四半期決算発表時に上方修正した修正値の280億円を上回って着地したが、好業績は織り込み済みとの見方から売りが出ているようだ。売上高は4627億6800万円(同17.7%増)だった。デジタル家電専門店運営事業で「東京ゼロエミ」効果もあってエアコンが伸長したほか、9月の「大決算セール」でパソコンが伸びた。また、キャリアショップ運営事業で直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより5店舗を新規出店・譲受(15店舗を閉店・譲渡)するなどしたことも寄与した。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高9300億円(前期比9.0%増)、経常利益600億円(同17.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■シリウスビジョン <6276>  313円  +80 円 (+34.3%) ストップ高   11:30現在
 シリウスビジョン<6276>はストップ高の水準となる前営業日比80円高の313円に買われた。29日、電子基板の外観品質画像検査機器「S-Comet(エスコメット)」シリーズの販売を始めたと発表しており、材料視されたようだ。シリウスVによると、卓上型コンパクト検査機でありながら10ミクロンオーダーの高精細検査ができる業界初の製品。同社が開発したAI「Sirius-AIS(シリウスアイズ)」を搭載しており、電子基板の目視検査の自動化による精度向上と作業効率化を実現するという。

■大和自動車交通 <9082>  1,572円  +300 円 (+23.6%) ストップ高   11:30現在
 大和自動車交通<9082>はストップ高。29日取引終了後、同業の国際自動車(東京都港区)、配車アプリを手掛けるS.RIDE(同)の2社とそれぞれ業務提携すると発表した。タクシー・ハイヤー事業におけるDX化の推進や、顧客サービスと安全運行の追求に向けて取り組みを進める狙いがある。これに伴い、国際自動車は大和自株の8%超を取得している。これを材料視した買いが膨らんでいる。あわせて、26年3月期連結業績予想の修正を発表。売上高を据え置きとした一方、営業利益を3億2000万円から4億円(前期2100万円の赤字)へ上方修正した。タクシー乗務員の募集活動が奏功し、車両の稼働率が上昇したことが要因。ハイヤー部門の収益性改善も寄与する見通し。なお、支払利息などの金融費用を考慮し、純利益については従来予想を据え置いた。

●ストップ高銘柄
 シリウスビジョン <6276>  313円  +80 円 (+34.3%) ストップ高   11:30現在
 大和自動車交通 <9082>  1,572円  +300 円 (+23.6%) ストップ高   11:30現在
 など、7銘柄

●ストップ安銘柄
 アウンコンサルティング <2459>  404円  -80 円 (-16.5%) ストップ安   11:30現在
 以上、1銘柄

株探ニュース


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