桂畑誠治氏【5万円大台攻防、ここは買い場かそれとも見送りか】(1) <相場観特集>



―高市政権に意識される逆風、物色の方向性に変化の兆しも―

 17日の東京株式市場は日経平均株価が続落したが、上下に不安定な値動きで一時5万円大台を割り込む場面があったものの、その後小幅ながら上昇に転じる場面もあった。前週末の米国株市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ期待が後退したことを背景にNYダウが続落となった。これを受けて東京市場でもリスク回避の売りが優勢だったが、下値では押し目買いニーズも強く思惑が錯綜している。12月年末相場に向けた今後の株式市場の見通しと物色の方向性について、第一生命経済研究所の桂畑氏、内藤証券の田部井氏にそれぞれ意見を聞いた。

●「目先下値模索でも年末にかけて再浮上へ」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 週明けの東京市場では様子見ムードのなか、日経平均株価は足もとで調整色を示しているが、不透明感はあるものの下値を丁寧に拾っていく姿勢で対処したい。今週は米半導体大手のエヌビディア<NVDA>の決算発表を19日に控えており、この結果を見極めたいとの思惑が上値を押さえる要因となっている。また、翌20日には遅れていた9月分の米雇用統計が発表され、その内容に耳目が集まるほか、国内では21日までに補正予算の具体的な中身が明らかになる見通しだ。

 エヌビディアの決算内容については事前コンセンサス(予想の中央値)は上回る公算が大きいとみられるが、それでも数ある予想の上限ラインにはおそらく届かず、事前のハードルが高すぎるゆえに、発表後は売られる展開となるケースも考えられる。しかし、仮に下げてもそれでトレンドが中長期で下降転換するということではなく、目先筋の売り一巡でバランスを立て直すことが予想され、過度に不安視する必要はなさそうだ。また、20日に開示される9月の米雇用統計では、失業率が重視されることになるであろうが、週間の新規失業保険申請件数が11月初めにかけて安定を続けており、AIによるホワイトカラーの人員削減圧力の影響は限定的なものにとどまっている可能性が高く、相場の波乱要因とはなりにくいとみている。

 国内では21日までに総額17兆円規模といわれる補正予算の概要が漸次明らかとなってくる。これは東京市場にとっても力強い追い風となり得るもので、株式市場の先行きはそれほど悲観的とはいえない。年末までの日経平均の値動きとしては、上値は10月末につけた最高値5万2411円(終値ベース)をクリアし5万3000円台活躍をにらむ展開が想定される。一方、下値については10月6日のマドを開けて買われた直前の水準である4万6000円近辺がメドと考えている。年末にかけて日経平均には浮揚力が働きやすく、それを念頭に置いて、基本的に深押しは買い場と心得たい。

 物色対象としては、半導体関連の主力銘柄の押し目に着目したいところ。インバウンド関連については、中国当局が中国国民に対して日本への渡航を控えるよう注意喚起を行ったことが重荷となりやすく、目先荒れ模様で当面は様子を見極めたいところである。このほか銀行関連株は、目先はともかく日銀の利上げは遅かれ早かれ進められる方向にあり、相対的に株価優位性があり、引き続きマークしておきたい。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

株探ニュース


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