【杉村富生の短期相場観測】 ─新春相場での活躍期待7銘柄!



「新春相場での活躍期待7銘柄!」

●AIフィーバーは第2ステージに突入!

 2025年相場は前半こそ、トランプ関税の発動に直撃され波乱の展開となったものの、日経平均株価は4月7日の3万0792円を安値に、11月4日には5万2636円の史上最高値(ザラバベース)まで暴騰、結果的に「絶好調」の1年になったのではないか。

 なにしろ、わずか7カ月間に2万1844円幅、70.9%の急騰劇だ。トランプ関税交渉の決着に加え、日本で初の女性総理(高市早苗首相)の誕生、サナエノミクスの推進期待(日本再生プロジェクト第2幕の開演)が大きかった、と思う。

 物色されたのは巨大IT企業だ。アメリカ市場のマグニフィセント・セブン(時価総額上位7社→総額3357兆円)の人気に触発され、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]などが大幅高となった。まさに、AI(人工知能)、半導体関連セクターの乱舞である。

 さすがに、このフィーバーは修正されるだろう。このセクターの銘柄は短期間に5~9倍になった。「買われ過ぎ」と決めつける気持ちはないが、日柄・値幅調整は必要だ。第4次産業革命の柱がAIなのは間違いない。ただ、この流れは第2ステージのフィジカルAI(人工知能とロボティクスの融合)に移行しつつある。

 エヌビディア<NVDA>、ソフトバンクグループ、テスラ<TSLA>、オープンAI、NTT <9432> [東証P]などが「次の主戦場は最先端の事業領域として産業用ロボット になる」と照準を定め、注力の構えをみせている。

 特に、活発に動いているのがエヌビディアだ。この秋にはジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)が来日、ファナック <6954> [東証P]との協業を発表し、安川電機 <6506> [東証P]を訪問した。安川電機の自律ロボット「MOTOMAN NEXT(モートマンネクスト)シリーズ」にはエヌビディア製のGPU(画像処理半導体)が標準搭載されている。

●日経平均株価は6万円台乗せを狙う!

 システム開発のジーデップ・アドバンス <5885> [東証S]はエヌビディアの「エリートパートナー」である。それだけ技術力が評価されているということ。なお、同じシステム開発のロココ <5868> [東証S]はサービスナウ<NOW>の最上級パートナーに認定されている。2025年12月期の配当は5円増の35円とする。

 このほかのテーマとしては金融正常化(日銀の利上げ)、 造船業の再生、 原子力関連(原発再稼働、核融合炉の開発)、個人投資家育成・強化などが脚光を浴びるだろう。金融正常化ではメガバンクが狙い目だが、シップファイナンスに注力中の山口フィナンシャルグループ <8418> [東証P]は造船業の再生の潮流に沿う。

 原子力関連としては本命の三菱重工業 <7011> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]などになろう。ただ、筆者は西華産業 <8061> [東証P]を取り上げておきたい。三菱重工系の機械商社だ。2022年以降、三菱重工の原発設備の販売代理店業務を開始している。

 発電所向けバルブのTVE <6466> [東証S]、消火設備の日本フェンオール <6870> [東証S]とは2023~2024年に資本提携、持ち分会社(西華産業が大株主)にしている。着々と原発事業を強化している状況がうかがい知れる。

 個人投資家育成・強化の視点では業界トップの野村ホールディングス <8604> [東証P]の奮起を促したい。もっとも、株価は抜群に強い。今年は創業100周年を迎えた。2026年もこの動きが継続するだろう。

 このほか、2026年に活躍期待の銘柄としては前記の7銘柄以外に、東京電力ホールディングス <9501> [東証P]、アルコニックス <3036> [東証P]、トライアルホールディングス <141A> [東証G] 、横浜フィナンシャルグループ <7186> [東証P]、セック <3741> [東証P]などに注目できる。

 最後になったが、2026年の日経平均株価は11月の高値を早い段階に奪回し、6万円の大台乗せを狙う、と考えている。為替は1ドル=160円前後の円安のあと、為替介入があって、円高に振れる場面があろう。企業の経営改革が進展、稼ぐ力はとみに高まっている。国策は「株高」だ。この点は1980年代後半(バブル潰しに狂奔)とは根本的に違う。

2025年12月12日 記


株探ニュース


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