【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ AI武装化で「SaaSの死」克服する注目5銘柄!



「AI武装化で『SaaS』の死」克服する注目5銘柄!」

●“アンソロピック・ショック”は過剰反応

 「ディープシークショック」を覚えておられるだろうか。お忘れになった方のためにも振り返っておこう。昨年1月、中国のAI(人工知能)開発企業ディープシーク社が米オープンAI社の「ChatGPT」と同等か、それ以上の機能を持つとされる新モデル「R1」を発表し、世界のAI関連企業に大きな衝撃を与えた。機能の高さもさることながら、開発資金が560万ドル程度だったと報じられたことで、それまで巨額の投資が必要とされてきたAI開発の常識を覆したことが驚きをもって受け止められ、米AI関連企業の株価がショック安に見舞われたのだ。

 それから1年余りが経過した。「ディープシーク」は今なお高い性能を保っているとのことだが、その詳細について語られる機会は少なく、存在感は急速に薄れてしまっている。当時は「ChatGPT」を脅かす存在になるとの見方も強かったが、実際はそうはならなかった。オープンAIはディープシークよりも、米国内の競合であるグーグル(アルファベット<GOOG>傘下)のAI「Gemini(ジェミニ)」などと激しく競い合っている。

 このような状況下でAI業界に新たに降臨したのが、米新興企業アンソロピックが開発した AIエージェント機能「Claude Cowork(クロード・コワーク)」だ。この画期的なAIエージェントがソフトウェアなど既存ビジネスを置き換えてしまうとの懸念を背景に、マイクロソフト<MSFT>やアルファベット、メタ・プラットフォームズ<META>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>といったマグニフィセント・セブンをはじめ、いわゆるSaaS関連株が軒並み売られてしまった。「Claude Cowork」の登場を機に、米株式市場を「SaaSの死」という言葉が席巻したのだ。国内でも同様の現象が生じ、ソフト開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)、 コンサル、 クラウドサービスなどに関わる銘柄がことごとくと言ってよいほど売られてしまった。業績の良し悪しも関係なしに、ただSaaS関連企業であるという理由だけで、売りの対象になってしまったことはご存じのとおりだ。

 しかし、それらの銘柄の値動きを改めて見て感じるのは、果たしてこれらSaaS企業は、アンソロピックのAIエージェントの登場によって事業を縮小したり、あるいは畳まなければならなくなるのだろうか、という疑念だ。答えを先に書いてしまえば、「まさか、そんな」である。

●AIの活用でSaaS関連はより強靱に

 もちろん、AIの普及により、駆逐される事業や企業は出てくるだろう。しかし、AIは人が使いこなすものである。SaaS各社はAIを活用することで、より事業を発展させることが可能であり、実際いまもそれを実行中だ。AIに駆逐されるのではなく、AIによる武装化でより強靱になる。こう見るべきであり、今回の急落は「初物に驚き過ぎ」「考え過ぎ」という解釈でよいだろう。

 そこで、まず注目はGMOインターネットグループ <9449> [東証P]になる。この会社はネットビジネス企業を数多く傘下に擁しており、収益力にはまったく問題がない。それにもかかわらず、株価は大きく売り込まれてしまったのだ。前週後半はわずかに回復の兆しを見せた。ここからどんどん上がるとは言い切れないが、大きく下げてしまう可能性は低いと見てよい。

 DXコンサルの最大手であるベイカレント <6532> [東証P]も驚きの下げとなった。しかし、好業績をキープしており、2026年2月期の業績予想も問題はない。株価は浮上の兆しを見せたところであり、拾っておきたい。

 クラウドを活用した名刺管理ビジネスというユニークな事業を中心に発展してきたSansan <4443> [東証P]も、底値から切り返しており、今後は2進1退での再起が見込める。

 ネットセキュリティ大手のトレンドマイクロ <4704> [東証P]も売られた。法人向け統合プラットホームの運営に注力中であり、高市政権もネットセキュリティを成長分野に位置づけているだけに、株価が現状の水準で低迷を続けるとは考えられない。

 独立系のシステム開発会社である日本システム技術 <4323> [東証P]も、忘れてはなるまい。小型株のため値動きはやや粗いところがあるものの、DX&SI事業の好需要に支えられているだけに、株価の回復は遅れがちながらまず間違いないと見る。

2026年2月27日 記

株探ニュース


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