市川雅浩氏【日経平均6万円の大台突破、青空圏再突入後の展望は?】 <相場観特集>



―ホルムズ海峡再開期待で上昇幅一時1100円超、国内では3月期決算発表が本格化―

 27日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は史上初の6万円台となった。中東情勢を横目に AI・半導体関連株への選好姿勢が強まるなか、今期増益予想を示したファナック <6954> [東証P]などがストップ高をつけるなど、好決算銘柄への物色意欲も顕在化し、上げ幅は一時1100円を超えた。3月期の決算発表シーズンを経て、日経平均の強調展開は続くのか。三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト、市川雅浩氏に話を聞いた。

●「数ヵ月程度の原油高なら業績影響限られる」

市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト)

 ホルムズ海峡の通航再開に向けイラン側が米国に新たな提案を提示したと日本時間27日午前に報じられた。これを受け米原油先物相場は落ち着きを取り戻し、日本株は上昇するなど、素直な反応をみせている。株高のペースは速いものの、日経平均の6万円は一つの通過点と考えており、意外感はない。米国とイランは停戦状態に入ったが、事態の長期化を避けたいという点で一致している。攻撃再開の可能性は現時点では低く、紛争は終結に向かうことになるだろう。原油高の期間が数ヵ月間にとどまれば、企業業績に対するマイナスの影響は限られていく。

 米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が18連騰となるなど、ハイテク株がかなり強い動きを示している。米国企業のなかでも情報技術セクターに注目すると、2026年のEPS(1株利益)は前年比プラス44.3%、27年に関してはプラス24.9%と、非常に高い伸びとなる見通しだ。主要ハイテク企業の業績動向を評価する形で米国株が一段と水準を切り上げる動きになることが見込まれる。そうなれば、日本株には追い風だ。

 今週開催される日米の金融政策決定会合は、ともに政策金利は据え置きとなり、波乱なく通過することになるだろう。米連邦準備制度理事会(FRB)に関しては、年内は利下げが見送られ、日銀については6月の決定会合での利上げ実施を想定している。現時点でマーケットによる6月利上げの織り込み度合いは7割弱となっており、今後日銀は市場とのコミュニケーションを通じ、利上げを一段と織り込ませにいくはずだ。十分に織り込みが進んだ段階で利上げが実施されれば、株式市場のネガティブな反応は限られそうだ。

 国内では3月期決算企業の決算発表が本格化している。中東情勢への警戒から期初に保守的な業績予想が示されることは想定の範囲内だ。むしろ、中東リスクの後退とともに、ガイダンスの上振れシナリオが徐々に意識されるようになると考えている。この先6月末までの間の日経平均の予想レンジは5万7000円近辺~6万5700円程度。通信や非鉄金属、電線、半導体製造装置に関連する銘柄が全体相場のけん引役となるだろう。

(聞き手・長田善行)

<プロフィール>(いちかわ・まさひろ)
日系・米系銀行で、株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を長く担当。現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。三井住友DSアセットマネジメントのウェブサイト「市川レポート 経済・相場のここに注目」にて日々レポートを掲載中。



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