田部井美彦氏【最高値圏でやや買い疲れ感? 目先調整は買いか】(2) <相場観特集>



―不透明な中東情勢、米中首脳会談を契機に流れは変わるか―

 11日の東京株式市場は日経平均株価が朝方に先物主導で600円超上昇する場面があったが、その後は値を消した。日経平均は青空圏ながらスピード警戒感も拭えない。高値波乱含みの値動きも意識されやすいところだが、投資家は目先いったん様子を見るべきか、それともトレンドフォローの買いスタンスを維持するべきか、悩ましいところではある。ここからの相場展望と個別株について、雨宮総研の雨宮京子氏と内藤証券の田部井美彦氏にそれぞれ見解を聞いた。

●「米テック株主導続く、建設、機械、銀行などに再評価余地」

田部井美彦氏(内藤証券 投資調査部 リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジスト)

 東京市場はAI・半導体関連株が牽引役となり上昇基調を強めている。その日本株を牽引しているのは米国の大手テック株だ。日本のAI・半導体関連株などには過熱感も出てきつつあると思う。しかし、牽引役であるハイパー・スケーラー(大規模クラウド事業者)の米大手テック企業は好決算を発表し、旺盛な設備投資を表明している。

 米国の巨大テック7社である「マグニフィセント・セブン(M7)」の2016年から足もとまでの予想連結PERの上限は、コロナ期を除けば35倍程度だが、足もとでは27~28倍程度でまだ割高な水準とはいえない。過去のPERの上限を視野に入れれば、米ハイテク株は更なる上値も見込め、その株高に東京市場も連動する展開も予想される。

 今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは、下値は6万0500円程度、上値は6万4500円前後を見込んでいる。TOPIXは日経平均株価に比べ出遅れているが、TOPIXが2月につけた最高値(3938.68)まで上昇した場合、この最高値水準に足もとのNT倍率(16.3倍)を掛けると日経平均株価は6万4000円台となる。ただ、イラン情勢次第では波乱展開もあり得るだけになお注意は必要だ。

 個別のセクターや銘柄では、好決算が再評価され建設や銀行、機械などが買われる展開も見込める。建設株ではデータセンター関連などの需要も期待できる関電工 <1942> [東証P]やコムシスホールディングス <1721> [東証P]、ミライト・ワン <1417> [東証P]など。銀行株では金利上昇メリットが見込めるメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]など。機械株では、半導体工場などの設備投資需要が期待できるダイフク <6383> [東証P]、それに「フィジカルAI」関連のファナック <6954> [東証P]などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。





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