【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 農業関連に見直し余地あり!異常気象・食料安全保障で高まる重要性



「農業関連に見直し余地あり!異常気象・食料安全保障で高まる重要性」

●週末の急落への悲観は無用

 米中首脳会談は、演出的には大成功だった。トランプ大統領と習近平国家主席は互いに友好関係を強調し、ホルムズ海峡問題や経済協力でも歩み寄りを見せた。普通に考えれば、東京市場は歓迎高になってよかった。

 ところが、現実は逆だった。日経平均株価は急落し、日本の長期金利も29年ぶりの高水準に上昇した。市場は「友好の演出」を、そのまま素直には信じなかったことになる。両首脳の笑顔の後ろにある渋い表情を見てしまったというところだろう。特に警戒されたのは、習主席による台湾問題への言及だろう。「適切に処理されなければ衝突につながる」――こう明言したことで、米中対立の火種は消えていないことが改めて示された。しかも、会談直後の発言であるだけに、市場は「習氏優位」を意識した可能性が高い。トランプ大統領はいきなりパンチを一発食らった格好になったのだ。

 さらに、原油高によるインフレ懸念、日本の財政拡張観測に伴う金利上昇も重なった。当たり前のことだが、株式市場は景気や企業業績だけで動くわけではない。政治、金利、資金の流れ、さらには各国首脳の力関係まで一緒くたにして織り込もうとする。今回の急落は、その典型と見てよい。

 しかし、だからといって悲観は無用だ。むしろ、これまで相場をけん引してきたAI(人工知能)、半導体、データセンター関連株が、いったん休養局面に入る可能性が高まったと考えるのが適切だろう。実際、これらの関連株は短期間で大きく上昇し、過熱感が強まっていた。少々の悪材料でも利益確定売りが出やすい状況にあったのだ。それが前述した複合的なネガティブ材料によって主役銘柄の足を引っ張ってしまった。こうなるのだが、こんな時にはシーソー遊びを思い起こしてもらえばよい。一方が上がるともう片方は下がり、それが上がり始めると、それまで高く上がっていた方が下がる。ごく当然な動きが、株式市場でも見られる。

●重要性が高まる農業関連

 そこで今回は、長らく忘れられた格好になっていた農業関連株に注目したい。世界的なインフレや異常気象、食料安全保障問題を考えると、農業分野の重要性はむしろ一段と高まっている。日本でも政府の支援策強化やスマート農業推進の流れが続いており、関連企業には見直し余地がある。特に、

 ・ 農業機械
 ・ 肥料
 ・ 種苗
 ・ 水処理
 ・ 植物工場
 ・ ドローン活用

 などの分野は、政策と技術革新の両面から物色対象になりやすい。具体的な銘柄としては、まずはクボタ <6326> [東証P]になる。トラクター、耕運機、田植機、コンバインなどの農業機械、建設機械などを展開している。いまは米国での需要が絶好調ともいえる状況にあり、収益も順調に伸びている。当面はこの恵まれた状況が続く。こう見られるため、株は浮上を続けるだろう。

 農業機械でクボタに次ぐのが井関農機 <6310> [東証P]だ。この会社は特にコンバイン、田植機に強く、全国的に農家が寄せる信頼性は非常に高い。私は鹿児島の田舎の出身だが、農機具といえば井関農機製だった。いまもこの会社に対する信頼感は変わらない。こう見てよく、株も期待が持てる。

 イラン戦争により 農薬原料の入手が困難になっている。そのため農薬メーカーは対応に苦慮している最中ながら、この問題はいつまでも続くものではない。こう考えられるため、肥料最大手の片倉コープアグリ <4031> [東証S]に注目だ。株価は3月31日に高値を付けて以降、低迷を続けていたが、ようやく浮上の兆しを見せ始めている。急騰はないが、着実高なら見込める。

 農薬原料となる石油化学品ナフサに強いのが住友化学 <4005> [東証P]。ナフサの入手は依然として困難なものの、状況は次第に好転しつつある。株価はすでに浮上を開始しているが、まだ本格的な上昇とはなっておらず上昇余力は十分ありだ。

 最後に、サカタのタネ <1377> [東証P]を。ブロッコリーが「指定野菜」に追加された時に取り上げたことがある。しかし、株価は残念な動きとなった。イラン戦争により石油の輸入が止まり、農薬の入手も困難になるとの懸念が広がり、ブロッコリーの栽培も拡大しないだろう――こんな推測から株価は急落してしまった。しかし、「指定野菜」の過去の歴史を見ると、確実に栽培は広がっている。ブロッコリーも縮小があっても一時的。こう見てよいため、株は底値拾いのタイミングにある。

2026年5月15日 記





株探ニュース


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