桂畑誠治氏【止まらない日経平均、AI人気で上値追いどこまで】(1) <相場観特集>



―早くも一時6万7000円台、このまま7万円に突き進むのか―

 週明け1日の東京株式市場は日経平均株価が上値追い態勢を強め、一時6万7000円台に乗せ最高値街道をまい進している。前週末の米国株市場でNYダウをはじめ主要株価3指数が揃って最高値を更新しており、その流れを引き継ぎリスク選好ムードに陰りが見られない。ただ、 AI・ 半導体関連株に物色人気が集中しており、全体を見渡すと値下がり銘柄数の方が多く、その意味では局地的な超強気相場といえる。ここからの相場展望や物色の方向性について、今回は第一ライフ資産運用経済研究所(第一生命経済研究所から社名変更)の桂畑誠治氏、フィリップ証券の笹木和弘氏にそれぞれ話を聞いた。

●「半導体に実需の追い風、7万円台乗せが視野」

桂畑誠治氏(第一ライフ資産運用経済研究所 主任エコノミスト)

 日経平均株価は一時900円高で6万7200円台まで上値を伸ばす場面があった。急ピッチの上昇に過熱感が意識されるのは当然だが、それでも足もとの相場が大崩れする気配は感じられない。今後も軽い調整を挟みながら上値指向は変わらないと考えている。半導体関連あるいはその周辺銘柄に関しては、AI関連投資に関する確固たる実需としての強さが背景にあり、必ずしも思惑が先行しているわけではない。その観点で今のAI人気は中期的な持続性が伴うとみている。

 6月は日銀の金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)、ECB理事会と日米欧の中央銀行が政策金利を決定する。まず、10~11日に行われるECB理事会では25ベーシスの利上げの可能性が濃厚とみられているがこれは織り込み済みだ。国内では15~16日の決定会合で日銀は同じく25ベーシスの利上げに動くことが有力視されるが、これに関してもマーケットには既定路線として認識されている感が強い。ここから1日遅れて16~17日にFOMCが開催される。ケビン・ウォーシュ氏の新FRB議長としてのデビュー戦となるが、金融政策は現状維持がほぼ確実であろう。ただし、記者会見でウォーシュ氏が何を発言するかがカギを握る。仮にタカ派寄りの発言と捉えられた場合には、全体相場の波乱要因ともなり得るため、その点は注意が必要といえる。

 イラン情勢については和平交渉がまとまりそうな気配はあるものの、なかなかゴールに到達できないでいる。今しばらくは“停戦延長”の状態が続くのではないか。日経平均は6月中に7万円台に乗せる可能性は十分にあるが、下値リスクがないわけではない。例えば7月4日の独立記念日を前に戦闘終結を是が非でも実現させたいトランプ米大統領が、核兵器保有につながる核濃縮に絡む部分などにおいて、イラン側の主張を受け入れる形で合意に持って行った場合、イラン攻撃の大義名分を失いマーケットはネガティブに反応するケースも考えられる。調整局面に移行した場合の下値メドとしては6万3000円近辺を想定している。

 物色対象としては、生成AI市場の飛躍的な成長を背景に、引き続き半導体や半導体製造装置関連株は押し目買いで対処したい。また、中期的な長期金利上昇を背景に銀行セクターも上値余地が大きい。このほか、内需株では消費減税が実施される方向にあることで、小売関連株に改めて見直し余地が生まれそうだ。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一ライフ資産運用経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

株探ニュース


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