【杉村富生の短期相場観測】 ─“富を生む”投資戦術による特選銘柄!(下)



「“富を生む”投資戦術による特選銘柄!(下)」

●利上げ、スペースXの上場に警戒は不要!

 株式市場はにわかに、高値波乱の様相をみせている。しかし、懸念は無用である。イノベーション(技術革新)の進展、および好業績&好需給が株高を支える。確かに、6月3日に日経平均株価は瞬間、6万8786円の高値まで上昇した。市場関係者は「当初の上値メドの6万8000円を超えた」とし、警戒感を強めている。

 ただ、筆者の中期的な上値目標は7万3000円(PER20倍水準)前後だ。それに、経験則では上値のメド(マーケットコンセンサス)を上回ったから「相場は終わり」とはならない。主戦場の4日のNYダウは874ドル(1.73%)高の5万1561ドルと、史上最高値である。抜群に強いじゃないか。

 NASDAQ市場はブロードコム<AVGO>の決算不振を受け冴えなかったが、目先の値動きに一喜一憂する必要はない。イラン情勢もそうだ。日本企業の好業績(TOPIX:東証株価指数採用企業の2027年3月期決算は9.6%増益、28年3月期が11.3%増益予想→大手証券調べ)は、コロナショック、ロシアのウクライナ侵攻、トランプ関税などのアクシデントを乗り越えたことを意味する。

 需給面では海外投資家の攻勢に加え、自社株買い、配当金(25年度は前年度比3.7兆円増の26兆円、26年度は28兆円を見込む)の再投資が期待できる。自社株買い(実績ベース)は年間20兆円ペース(26年度は20兆円の予想だが、4~6月の枠設定額は7.9兆円→年換算31.6兆円)だ。この効果は大きい。株価が安くなると、会社が買う。

●嵐の最終公演とロココの関係って……?

 物色面では引き続きテーマ性を重視し、好業績&好需給に視点を置いた銘柄選別が肝要と思う。テーマ的にはやはり、AI(人工知能)・ 半導体、データセンターセクターだ。足元は利上げ観測に加え、スペースX<SPCX>の上場を控え、リバランスの動きがみられる。ただ、利上げは既定路線だし、12兆円程度の資金調達(1株135ドル、5億5555万株)は問題ないだろう。

 AIインフラの裾野はサーバー、ストレージ、エッジAI、電力、冷却、 コンデンサ(電子部品)に広がっている。半導体についてはGPU(画像処理半導体)の独壇場だったが、HBM(広帯域幅メモリー)、SSD(ストレージデバイス)が浮上している。GPUはエヌビディア<NVDA>、HBMはSKハイニックス、サムスン電子、マイクロン・テクノロジー<MU>である。

 日本企業では製造装置メーカーのほか、日本電子材料 <6855> [東証S]、レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]、日本マイクロニクス <6871> [東証P]が素材を供給している。SSDはキオクシアホールディングス <285A> [東証P]だ。株価は4月以降、暴騰した。マーケットは賢い。トレンド(流れ)を正確に読んでいる。

 最近、話題沸騰の積層セラミックコンデンサ(MLCC)関連としては村田製作所 <6981> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]、TDK <6762> [東証P]が主役だ。電子部品という見方ではローム <6963> [東証P]が面白い。ニッポン高度紙工業 <3891> [東証S]はセパレータ専業だ。アルミ電解コンデンサ用セパレータでは世界シェア6割を誇る。

 次に“箸休め”の感覚だが、芸能ネタを紹介しよう。プロ野球の巨人軍の監督候補に名前が挙がる松井秀喜氏が「ヒトのチカラ アンバサダー」に就任しているのがヒトトヒトホールディングス <549A> [東証S] だ。実は、松井氏と同社の松本哲裕社長は星稜高校時代のチームメイトである。中核事業はスポーツイベントの運営など人材サービスとなっている。

 5月31日に行われた嵐の「ARASHI LIVE TOUR 2026 『We are ARASHI』」の最終公演は「国民的行事」と形容されるほどの盛り上がりだった。今回の全国ツアーの経済効果は「1000億円」と言われている。もちろん、筆者が主張しているのはこのことではない。ロココ <5868> [東証S]である。

 実は、今回の嵐の全国ツアーのチケットには顔認証が導入された。転売を防ぐためだ。この効果は「絶大だった」(業界関係者)という。システムを納入したのはロココだ。あくまでも裏方であり、表に出ることは少ないが、技術力の高さは理解できるだろう。業績は好調だ。2026年12月期の配当は5円増の40円とする。時価の配当利回りは4.28%になる。

2026年6月5日 記

株探ニュース


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