鎌田重俊氏【高値圏の日本株に押し寄せる荒波、7月相場の展望は?】 <相場観特集>



―7万円台突破の日経平均は大きく上下動、半導体関連株への買いは続くのか―

 29日の東京株式市場で日経平均株価は反発した。下げ幅は一時1300円を超えたが、大引け間際に持ち直しプラス圏で終了した。直近では3000円幅での上昇と下落を繰り返すなど、史上最高値圏に位置する日経平均は非常に荒い動きを続けている。名実ともに7月相場入りとなった今、日本株に押し寄せる荒波に投資家はどう対峙すべきなのか。立花証券企業調査部参与の鎌田重俊氏に話を聞いた。

●「二刀流の投資戦略が有効な局面」

鎌田重俊氏(立花証券 企業調査部 参与)

 キオクシアホールディングス <285A> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]といった AI・ 半導体関連株の動き次第で、日経平均が大きく上下動する構図となっている。米マイクロン・テクノロジー<MU>は、半導体メモリーの需給がひっ迫した状況は2027年以降も続くと説明する。ピークアウトのタイミングがみえないなかで半導体関連株に対する強気な見方が再び広がれば、株価指数を押し上げる形となるだろう。もちろん、半導体関連企業の利益が「倍々ゲーム」から「2ケタ増益」に鈍化する時期が明確にみえるようになれば、一極集中的な物色動向が是正されることになる。短期的には半導体関連株のモメンタムを押さえつつ、中長期的な視点で高配当利回り株を物色するといった「二刀流」の投資戦略が有効な局面だ。上場企業から投資家に支払われた3月末の配当金が、9月末の配当取りの資金に振り向けられようとするタイミングでもある。

 日銀が利上げサイクルに入るなかで、足もとで2.6%台にある長期金利は、3%をうかがうことになるだろう。貸出と利ザヤの拡大が期待できるメガバンクの株価には追い風となりそうだ。金融株に関しては配当利回りが4%を上回る銘柄も存在する。需給面では、海外投資家は年明けから直近まで現物株を約10.9兆円買い越した一方、先物では5兆円を上回る規模の売り越しとなっている。現物株の買い余力はこの先頭打ちとなる可能性があるものの、ヘッジファンドを中心に先物の買い戻しが入れば全体相場を下支えすることも考えられる。自社株買いの額については今年に入りここまで4兆円程度だ。昨年1~6月の約5.5兆円を下回っているが、自社株買い枠の設定額は昨年を上回る規模である。相場が高値圏にあることが自社株買いをスローペースにしていると言える。日本株は需給的に下がりにくい構図にあることにも留意すべきだ。

 上場企業の今期の増益率について10%を前提とし、TOPIXの予想PER(株価収益率)が現在の17倍台から20倍台に切り上がるのであれば、4700ポイントへの上昇が視野に入る。NT倍率が17.5倍台を維持した場合、日経平均は8万2000円台に到達する。半面、TOPIXの予想PERが16倍に切り下がれば3700ポイントとなる。その際にNT倍率が16.5倍台に低下すれば、日経平均は6万1000円台まで下落してもおかしくはない。

(聞き手・長田善行)

<プロフィール>(かまだ・しげとし)
1988年早大商卒。同年に第百生命(現マニュライフ生命保険)に入社。ファンドマネジャーなどを務め、2000年より立花証券に移籍し、アナリストとして電子部品業界や電機業界を担当。情報企画部長、企業調査部長を歴任し、24年より企業調査部参与。

株探ニュース


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