【杉村富生の短期相場観測】 ─東京電力ホールディングス、GOを狙う!



「東京電力ホールディングス、GOを狙う!」

●日本市場は基本的に調整局面途上!

 世界の金融マーケットは相変わらず、ドナルド・トランプ米大統領の言動に振り回されている。なにしろ、やりたい放題のドンロー主義に加え、マッドマン・セオリー(狂人戦略)だ。いまや、国際ルール、従来の秩序は通用しない。難しい時代である。さらに、ヘッジファンドが信奉する再帰性理論がボラティリティ(株価変動率)を増幅させている。

 それに、サマーバカンスとあって、市場参加者が少ない。そこを狙って、投機筋が暗躍する。アメリカの夏休みはレイバー・デー(9月7日)以降に明ける。したがって、9月中旬には株式市場が落ち着きを取り戻すだろう。日経平均株価は9~10月には6月22日の史上最高値7万2831円を奪回する、と考えている。上値のメドは7万3400円絡みとなる。

 まあ、もう少しの辛抱だ。トランプ大統領はハチャメチャな人物だが、政策は「TACO(Trump Always Chickens Out→トランプはいつも腰砕けになる)トレード」と形容されているように、株価によって変わる。11月の中間選挙に向けて一段の株安を容認することはない。側近のベッセント財務長官などが動くだろう。

 日本の株式市場は軟調なアメリカ市場の動きに引きずられている。それだけではない。明らかに、調整途上にある。日経平均株価が8月18日に1759円安、19日に2134円安(2日間で3893円安)となったのに、20日の反発が890円高にとどまったのが何よりの証拠だろう。これは戻り売り圧力の強さを示している。

 ただ、韓国のSKハイニックス<SKHY>の40兆ウォン(約4兆5000億円)規模の自社株買いに続いて、サムスン電子が配当を中心に100兆ウォン(約11兆円)規模の株主還元を表明する見通しであるなど、AI(人工知能)、 半導体、 データセンターセクターには好材料が相次いでいる。SKハイニックスは宮城県に最先端の半導体工場を建設する計画という。

●半導体工場は電力、水を“鯨飲”する!

 先に、キオクシアホールディングス <285A> [東証P]は3000万株、8000億円上限の自社株買いを行った。既報のように、8月3日~10日(6営業日)にすべて買い切った。取得株数は1613万株強(平均買いコスト4万9586円)だ。通常、自社株買いが終わると、株価は売られるが、実際は逆行高だ。こちらは反発途上にある。

 キオクシアの主力工場は岩手県(北上市)にある。宮城県にSKハイニックスが工場を建設するとなると、東北に半導体工場の集積が実現する。岩手銀行 <8345> [東証P]は中・長期的に潤うと思う。南九州(熊本県)が地盤の九州フィナンシャルグループ <7180> [東証P]と似たような感覚である。

 半導体工場、データセンターは大量の電力、水を消費する。電力株の中では出遅れの東京電力ホールディングス <9501> [東証P]に注目できる。株価は1月6日に760円の高値をつけたあと、7月1日には442.8円の安値まで売られた。正直、さえない展開が続いている。しかし、ここにきて540円台に突っかけるなど、ジリ高に転じている。

 実質、国家管理会社(原子力損害賠償・廃炉等支援機構が発行済み株式数の49.9%を持ち、別途に国が優先株を保有、76%の大株主)だ。一般的には手掛けづらい。だが、国の取得コストは1200円絡みと推計されている。足元の業績は堅調だ。1株利益は2027年3月期が156円、28年3月期が225円とアナリストは予想している。

 もちろん、配当はない。とはいえ、経営不安は乏しい。なにしろ、国有企業である。50%出資のJERAの評価額は2兆円といわれている。これだけで時価総額(8827億円)を上回る。カラ売り(貸し株を含む)は「2億株を超えている」(市場筋)という。ディーリング対象銘柄だが、1月高値への挑戦が見込めるのではないか。

 値動きの良さではGO <581A> [東証G]に妙味があろう。再三指摘しているように、上場時の公募・売り出しの6割を海外投資家が持って行った。キオクシア、JX金属 <5016> [東証P]がそうだったが、彼らはそれをタネに必ず仕掛けてくる。相場に“絶対”はないが、これは確率の問題である。

2026年8月21日 記

株探ニュース


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