【杉村富生の短期相場観測】 ─強気の秋相場!狙うのはこの銘柄!



「強気の秋相場!狙うのはこの銘柄!」

●“利上げ加速”はあり得ない?

 日米欧ともに、利上げ(金融引き締め)が加速しそうな雲行きとなっている。急激な金利上昇は景気を冷やし、株価の先高感を抑制することになろう。ただ、筆者は日本銀行、FRB(米連邦準備制度理事会)、ECB(欧州中央銀行)はマスコミが大騒ぎするほど、タカ派ではない、と考えている。それに、3中央銀行にはドラスチックな利上げを阻止する理由がある。

 まず、日銀だ。ここは金融正常化、インフレ対応に加え、円安に絡む内外の“圧力”にさらされている。このため、来春までに2~3回の利上げを断行、政策金利を1.75~2.00%(現在は1.25%)としたい、との意向が伝えられている。強硬派の代表は高田審議委員、田村審議委員の両名である。利上げ推進派の2人は来年7月に退任する。

 半面、今回の日銀金融政策決定会合では9人の審議委員(総裁、2人の副総裁を含む)のうち、浅田審議委員、佐藤審議委員が利上げに反対票を投じた。ともに、高市政権が任命したリフレ(財政出動、金融緩和)派の人物である。来年7月以降、高田審議委員、田村審議委員の後任には国の政策に沿ったリフレ派が選出されるだろう。

 ウォーシュFRB議長、およびFOMC(米連邦公開市場委員会)参加メンバーは、「年内にあと1回の利上げ」を想定している。実施された場合、FF(フェデラル・ファンド)レートの誘導目標は4.00~4.25%になる。アメリカはローン社会だ。この金利水準はきつい。住宅需要、個人消費にダメージを与えるのは避けられないだろう。まあ、イラン情勢次第の面はあろうが……。

 ECBの政策金利は現在、2.50%だ。マーケットには「打ち止め感」が台頭しているが、ラガルドECB総裁は「インフレ懸念が強すぎる」と語っている。とはいえ、欧州経済は自動車産業を中心にガタガタだ。特に、ドイツは年金改革の不手際があって、政治が迷走し、極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の躍進を許している。再利上げは困難、と思う。

●円高進行には限界がある!

 為替については常に、介入リスクが存在する。とはいえ、円安基調の転換は難しい。IMF(国際通貨基金)は購買力平価での妥当値を1ドル=93円とみているようだが、現在の円の実力は150円前後が限界だろう。マーケットは為替水準に神経質になっている。しかし、円安が止まらないからこそ、年金資産の「外貨比率を下げよ」などと言い出しているのではないか。

 イラン問題はイラン側がホルムズ海峡、米中間選挙を“人質”にとっている。相変わらず強硬姿勢だが、本心は違うだろう。トランプ米政権もそうだが、中間選挙の投票日(11月3日)までに和平合意を目論んでいるのではないか。トランプ大統領が「和平は選挙後」とコメントしているのは取引材料だろう。

 9月28日は権利付き最終日だ。配当落ちは日経平均株価が352円と推計されている。1対15の株式分割を行う東京海上ホールディングス <8766> [東証P]の落ち後の株価は現水準を基準にすると530円絡みになる。「日本発のグローバルカンパニー」を自称しているのに、株価が3ドルちょっとでは悲しすぎないか。海外M&Aを積極的に展開、株主優待制度を導入するなど、意欲十分である。

 キオクシアホールディングス <285A> [東証P]は1対3の株式分割を行う。落ち後の株価は1万8600円前後だ。まあ、100株投資では180万円超、単純に「買いやすい」とはいえないが、ディーリングの対象にはなろう。売上高営業利益率76%(4-9月期の会社側計画)のすごさを評価できる。

 このほか、好業績のJトラスト <8508> [東証S]、日経平均株価の採用銘柄から除外予定のARCHION <543A> [東証P]、抜群に強い岩手銀行 <8345> [東証P]、思惑妙味のデータセクション <3905> [東証G]などは個別に狙える。10月相場は需給悪を乗り越え、意外に堅調な商状となろう。

 主軸株ではやはり、半導体関連セクターの出直りに期待したい。具体的にはイビデン <4062> [東証P]、太陽誘電 <6976> [東証P]、村田製作所 <6981> [東証P]、日本電子材料 <6855> [東証S]、パナソニック ホールディングス <6752> [東証P]などの商いが弾んでいる。古来、出来高は株価に先行する。

2026年9月25日 記

株探ニュース


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