来週の株式相場に向けて=値上げ進む「外食株」は個別株物色を先導するか


 22日の東京株式市場は、日経平均株価が257円高と3日ぶりに反発した。一時3万8400円台まで値を上げたが、引けにかけやや売りに押された。NYダウやナスダック指数が最高値近辺で推移しているのに対し、日経平均株価は3万9000円ラインを抜け切れない展開が続く。売買代金も3兆7000億円台と細り気味だ。

 東京市場は、今秋の一連の日米政局相場でも上値は重く、足もとでは展開材料不足が目立つ。今後、年末相場へと入っていくが、相場の焦点は来月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と18~19日の日銀金融政策決定会合となる。特に、12月の米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)が注目されるが、「日米ともに金融政策の変更はないかもしれない」(アナリスト)との声も出ている。今年のビッグイベントも、すでにその多くが消化されるなか、展開材料難の相場が続くこともあり得る。

 そんななか年末に向けては、個別材料株の物色が続くことも予想されている。為替動向やトランプ政策に左右される輸出株に対し、買い安心感が指摘されるのが内需株だ。例えば、インバウンド需要や値上げ効果で業績拡大基調にある消費関連株、なかでも「外食株」などに見直し余地を指摘する声も出ている。

 牛丼の値上げ発表が評価されたゼンショーホールディングス<7550.T>は、この日1年ぶりに最高値を更新した。また、今期最高益が予想されているラーメン関連株のハイデイ日高<7611.T>やギフトホールディングス<9279.T>、丸千代山岡家<3399.T>など。それにクリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387.T>や東洋水産<2875.T>、味の素<2802.T>といった食品関連株も注目されそうだ。

 来週は、特に26日のFOMC議事録や27日の米個人消費支出(PCE)物価指数などが注目されそうだ。上記以外のイベントでは、25日にドイツ11月Ifo景況感指数、26日に米10月新築住宅販売件数、27日に米7~9月期GDP改定値、米10月耐久財受注、28日は米国が感謝祭で休場となる。29日は米国のブラックフライデーで年末商戦が始まる。

 国内では、25日に10月全国百貨店売上高、26日に10月企業向けサービス価格指数、29日に11月東京都区部消費者物価指数(CPI)、10月失業率・有効求人倍率が発表される。25日にタカショー<7590.T>、26日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、27日にカシオ計算機<6952.T>、29日にトリケミカル研究所<4369.T>、東和フードサービス<3329.T>が決算発表を行う。28日にククレブ・アドバイザーズ<276A.T>、29日にTerra Drone<278A.T>、グロービング<277A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7800~3万8900円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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