午後:債券サマリー 先物は反落、中村日銀委員の発言で12月利上げを意識


 5日の債券市場で、先物中心限月12月限は反落。30年債入札を無難に通過した安心感からプラス圏に浮上する場面もあったが、引けにかけては日銀の12月利上げが再び意識された。

 日銀が18~19日に開く金融政策決定会合で利上げを見送る可能性があるとの一部報道を受け、前日に急伸した反動から軟調にスタート。日銀が12月に利上げに踏み切る可能性が残っているうえ、来年1月の観測もあることから債券価格が上昇(金利は低下)すれば売りが出てくるようだった。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が4日のイベントで「米経済は9月に利下げを開始した当初よりも力強く推移しているため、FRBは更なる利下げに慎重になる可能性がある」と述べたほか、米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁がインタビューで「利下げの緊急性はない」と発言したことなどを背景に、米金利の先高観がくすぶっていることも国内債の重荷となった。午後に入ると30年債入札の結果を手掛かりに先物は一時143円17銭まで上伸したが、日経平均株価の上昇などが影響し買いは続かず。引け間際には日銀の中村豊明審議委員が「利上げに反対しているわけではない、データに基づいて判断すべき」と発言したことに反応し、142円92銭まで下押す場面があった。なお、30年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が12銭と前回(11月13日)の15銭から縮小し、応札倍率は3.46倍と前回の3.44倍をやや上回った。

 先物12月限の終値は、前日比18銭安の142円98銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.010%上昇の1.065%で推移している。

出所:MINKABU PRESS


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