午後:債券サマリー 先物は反発、30年債入札は強い結果に


 9日の債券市場で、先物中心限月3月限は反発。朝方の売りが一巡したあとは押し目買いで切り返し、午後は30年債入札の強い結果が相場の支えとなった。

 米CNNが8日に「新たに導入を予定している関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討している」と報じ、同日の米長期金利が上昇した流れが東京市場に波及。厚生労働省が発表した24年11月の毎月勤労統計調査で、名目賃金を示す現金給与総額が前年同月比で3.0%増となったことも影響し、債券先物は朝方に一時141円09銭まで軟化した。ただ、前日に大きく下落していたことから値ごろ感が意識されやすく、日経平均株価の続落で投資家のリスク回避姿勢が強まったこともあって徐々に債券買いが流入。30年債入札の結果で旺盛な需要が確認されると、先物は午後0時40分すぎに141円35銭まで上伸した。その後は日銀支店長会議のリポート公表を前に失速する場面もあったが、25年の賃金設定について「現時点では競合他社の動向を見極めており、賃上げ率を固めていないとの企業の声や、中小企業を中心に収益面の厳しさから慎重な姿勢を示す声も引き続き報告された」ことが明らかになると再び相場は強含む動きとなった。なお、30年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が2銭と前回(24年12月5日)の12銭から縮小し、応札倍率は3.72倍と前回の3.46倍を上回った。

 先物3月限の終値は、前日比8銭高の141円31銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.005%低下の1.170%で推移している。

出所:MINKABU PRESS


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