午後:債券サマリー 先物は続伸、リスクオフ地合いで買い優勢


 28日の債券市場で、先物中心限月3月限は続伸。中国との人工知能(AI)競争懸念などから投資家のリスク回避姿勢が強まるなか、株売り・債券買いの動きが広がった。

 中国の新興企業であるDeepSeek(ディープシーク)が開発したAIモデルに市場が動揺している。米ハイテク企業の優位が揺らぎかねないとの警戒感が広がり、前日の米市場ではハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が大きく下落。これを受けて同日の米長期債相場が続伸(金利は低下)した流れが東京市場に波及し、債券先物は寄り付き直後に一時141円26銭まで上伸した。ただ、この日の朝方に英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が「トランプ米大統領が財務長官に指名したスコット・ベッセント氏が、米国への輸入品に一律で2.5%の関税を課し、毎月同じ率で段階的に引き上げる案を推進している」と報じたほか、米ブルームバーグ通信が「トランプ米大統領は27日、外国製半導体チップや医薬品に近く関税を適用する方針を表明した」と伝えたことが影響。関税が強化されれば米インフレ圧力が高まるとの見方から時間外取引で米長期金利が上昇したことが重荷となった。とはいえ、日経平均株価の大幅安から相対的に安全資産とされる債券が選好されやすく、債券先物は堅調地合いを維持。日銀が実施した国債買い入れオペで、「残存期間10年超25年以下」の応札倍率が1.94倍(前回は1.98倍)となるなど、売り意欲の乏しさが示されたことも支えとなった。

 先物3月限の終値は、前日比29銭高の141円18銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、午後3時時点で前日比0.025%低下の1.190%で推移している。

出所:MINKABU PRESS


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