来週の株式相場に向けて=焦点はエヌビディアの決算、半導体関連人気の復活なるか


 21日の日経平均株価は前日比98円高の3万8776円と3日ぶりに反発した。ただ、週間ベースでは前週に比べ372円安と依然として軟調な値動きが続く。足もとでは国内の長期金利がおよそ15年ぶりの水準に上昇しており、それとともに為替も一時1ドル=149円台と円高が進行している。

 海外では、NYダウは最高値圏にあるが、米長期金利は高止まりしている。トランプ米大統領による関税政策が金利上昇と景気悪化を招きかねないことから、市場の一部には「インフレと景気悪化が進むスタグフレーションを警戒する見方」(市場関係者)も出ている。ディフェンシブ株が見直され、金価格の上昇でSPDRゴールド・シェア<1326.T>など金ETFが上昇している背景には、そんな警戒感もあるようだ。

 日本株の人気復活には、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など半導体関連株の上昇が欠かせない。そんなか、来週は26日(日本時間27日)にいよいよエヌビディア<NVDA>の決算が発表される。同社の株価は1月の「ディープシーク・ショック」で急落したが、1月7日の最高値から安値までの下げ幅の3分の2戻しは達成している。24年11~25年1月の1株当たり利益(EPS)は60%強の増加が予想されている様子だが、実績に加え足もとの2~4月期の業績見通しが焦点となる。特に、次世代AI半導体「ブラックウェル」の販売動向が関心を集めそうだ。また、中国の新興AI「ディープシーク」に対して、ジェンスン・ファンCEOがどんな発言をするかが注目されそうだ。

 更に、26~27日にはG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、28日には米1月個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。欧州情勢をみるうえで今週末23日のドイツ総選挙も関心を集めている。

 上記以外のスケジュールでは、来週は24日にドイツIfo景況感指数、25日に米2月消費者信頼感指数、26日に米1月新築住宅販売件数、27日に米10~12月期GDP改定値が発表される。25日にホーム・デポ<HD>、キーサイト・テクノロジー<KEYS>、26日にセールスフォース<CRM>、シノプシス<SNPS>、27日にデル・テクノロジーズ<DELL>が決算発表を予定している。

 国内では、24日は天皇誕生日の振替休日で休場。25日に1月全国百貨店売上高、28日に2月東京都区部消費者物価指数(CPI)、1月鉱工業生産が発表される。28日にラクーンホールディングス<3031.T>と東和フードサービス<3329.T>が決算を発表する。28日にはTENTIAL<325A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8300~3万9600円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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