午後:債券サマリー 先物急反落、5年債入札「弱め」で長期金利一時1.575%に上昇


 10日の債券市場で、先物中心限月3月限は急反落した。前週末の米債券市場で長期債価格が下落(金利は上昇)したことが重荷となったほか、日銀の追加利上げ観測も債券売りを促した。財務省がこの日実施した5年債入札の結果が、債券保有ニーズの乏しさを示す弱めの結果となると、先物は下げ幅を拡大した。

 5年債入札は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が7銭で、前回(2月14日)の3銭から拡大。応札倍率は3.17倍となり、前回の3.52倍を下回った。クーポンが前回入札の1.0%から1.1%に切り上がったにも関わらず、弱めの結果となったことを受け、円債への売り圧力が一段と強まった。先物3月限は午後に一時138円15銭まで下げる場面があった。

 年度末に差し掛かり、決算の関係で積極的な売買を手控えようとする国内機関投資家の姿勢が広がりやすい局面にあり、押し目買い意欲も限られた。厚生労働省が10日朝に発表した1月の毎月勤労統計は、実質賃金が3カ月ぶりにマイナスとなったが、円債相場の反応は限定的なものとなった。今年の春闘での賃上げ率が高水準となることで、日銀が利上げに踏み切りやすくなるとの見方をもとにした円債売りが継続した。

 先物3月限は前営業日比40銭安の138円22銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は一時、同0.055ポイント高い1.575%に上昇。2008年10月以来、およそ16年5カ月ぶりの高水準をつけた。午後3時時点では1.570%で推移している。

出所:MINKABU PRESS


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