午後:債券サマリー 先物は下落、20年債入札後下げ渋る 長期金利1.520%


 12日の債券市場で、先物は下落した。この日は売買高で6月限が3月限を上回り、事実上の限月交代となった。米国市場での長期債相場の下落(金利の上昇)や、日銀の植田和男総裁の長期金利に関する発言に反応した売りが円債相場の重荷となった。一方、20年債入札の結果に関しては、応札意欲の乏しさを示しながらも、市場が警戒していたほど弱い内容ではなかったとの受け止めがあって、下値を探る動きは限られた。

 日銀の植田総裁は衆院財務金融委員会に出席し、日本の長期金利に関する質問で「市場の見方とわれわれの見方に大きな齟齬はない」などと述べた。発言が伝わると、植田総裁が長期金利の上昇を容認したとの受け止めが広がり、売りが優勢となる場面があった。

 財務省が実施した20年債入札は、小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)は20銭で、前回(2月18日)の55銭から縮小。応札倍率は3.46倍となり、前回の3.06倍を上回った。テールの開きはなお大きく、超長期債に対する弱気な市場参加者の見方を反映する形となった。ただ、軟調な結果となるリスクが事前に警戒されていたこともあって、先物は下げ渋った。

 この日は春闘の集中回答日となり、トヨタ自動車<7203.T>や日立製作所<6501.T>など、組合側の要求に対し満額回答をする大手企業が相次いだ。一方、日銀の追加利上げ時期を巡り、日銀ウオッチャーが3月の金融政策決定会合では見送られると予想しているとも伝わった。春闘を巡る報道を受けて、早期の追加利上げを見込んで下値を探る姿勢は広がらなかった。

 先物6月限は前営業日比28銭安の137円99銭、3月限は同42銭安の138円40銭で取引を終えた。新発10年債利回り(長期金利)は午後3時時点で、同0.015ポイント高い1.520%に上昇した。

出所:MINKABU PRESS


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