午後:債券サマリー 先物は大幅反落、米関税の一部停止で売り圧力


 10日の債券市場で、先物中心限月6月限は大幅反落。トランプ米大統領が一部の国や地域に対する上乗せ関税を90日間停止すると表明したことで、リスク回避で積み上がっていた買い持ち高を解消する動きが出た。

 米国の関税強化が世界経済を下押しするとの警戒感が和らぐなか、安全資産志向が巻き戻されて日米の株式市場が急伸したことから国内金利に上昇圧力がかかった。ただ、米政権が5日に課した10%の一律関税は維持されているほか、中国に対しては追加関税を125%に引き上げるとしており、米関税政策を巡る不透明感は払しょくされていない。この日の時間外取引で米長期金利の上昇が一服したことも国内債の下支えとなり、債券先物は朝方に一時139円89銭まで軟化したあとは下げ渋る動きとなった。午後に入ると、財務省が実施した5年債入札が順調な結果となったことを手掛かりとした買いが流入。一定の需要が確認できたことが安心感につながり、先物は午後0時40分すぎに140円88銭まで値を戻す場面があった。とはいえ、大きく振れる相場展開が続いていることから積極的には動きにくいほか、市場動向が落ち着けば日銀が追加利上げに動きやすくなるとの思惑などもあって買いは続かなかった。なお、5年債入札の結果は小さければ好調とされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が4銭と前回(3月10日)の7銭から縮小し、応札倍率は3.84倍と前回の3.17倍を上回った。

 先物6月限の終値は、前日比1円06銭安の140円28銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは一時1.400%に上昇し、午後3時時点では前日比0.095%高い1.370%で推移している。

出所:MINKABU PRESS


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