12日の株式相場見通し=売り買い交錯、米中協議進展への期待と円安は追い風


 12日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は軟調気味に推移することが予想される。スピード警戒感から利益確定を急ぐ動きも出やすい場面で、売り買い交錯のなかも上昇一服となる公算が大きい。前週末の欧州株式市場は主要国の株価が総じて上昇、独DAX、仏CAC40はいずれも続伸した。特にDAXは3月6日以来約2カ月ぶりに史上最高値を更新している。米国と中国や欧州との関税を巡る協議が進展するとの思惑が市場セントメントを強気に傾けている。また、ECBによる利下げが今後も見込まれることやドイツの財政政策への期待などが買いを誘導している。ただ、米国株市場ではNYダウがここ短期間で水準を切り上げた反動もあり、前週末は利益確定の動きに押された。10日からスイスで始まる米中協議について、その推移を見守りたいとの思惑も買いを手控えさせる背景となった。もっとも、下値を売り込む動きは限定的でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はほぼ横ばいで着地している。その後、ベッセント財務長官が中国との協議に大きな進展があったことを明らかにしており、12日に米中共同声明を発表する見通しとなった。東京市場では、先日合意に至った米国と英国の関税協議に加え、米中間の交渉も進むとの思惑が、株式市場に追い風となる。また、外国為替市場で1ドル=145円台までドル買い・円売りの動きが強まっており、輸出セクターを中心にポジティブ材料となりやすい。一方、日経平均株価は直近10営業日のうち9営業日上昇しており、この間に3200円以上も水準を切り上げていることから上値も重そうだ。比較的狭いレンジでの値動きとなりそうだが、取引時間中にトランプ関税に関するニュースフローによってボラティリティが高まる可能性もある。

 9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比119ドル07セント安の4万1249ドル38セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同0.777ポイント高の1万7928.916だった。

 日程面では、きょうは3月の国際収支統計、4月の景気ウォッチャー調査など。海外では4月の米財政収支など。また、クグラーFRB理事がアイルランド中銀のイベントで講演を行う予定。なお、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアは休場。

出所:MINKABU PRESS


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