<動意株・9日>(大引け)=グリッド、エターナルG、大塚HDなど


 グリッド<5582.T>=急伸。電力の需給計画や海運の配船など人工知能(AI)を使って最適なプランを提供する計画最適化事業を展開するが、2017年に量子アルゴリズムの研究を開始し、その後特許申請も行うなど量子コンピューター分野への積極的な取り組みで知られる。35年前後には誤り訂正(FTQC)機能が量子コンピューターで実用化されると見込まれるなか、同社はAIと量子コンピューターの両軸をもつベンチャーとしてのポジションを前面に押し出していく構えで、株式市場でも注目度がにわかに高まっている。業績も好調で24年6月期は営業76%増益を達成、25年6月期は前期比10%増の4億円を計画している。

 エターナルホスピタリティグループ<3193.T>=急動意。前週末6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(24年8月~25年4月)連結決算は、営業利益が20億2500万円(前年同期比25.0%減)と減益で着地したが、アク抜け感から買いが流入しているようだ。既存店売上高が同5.1%増となったほか、新規出店による直営店店舗数の純増により売上高は338億2200万円(同9.4%増)となった。ただ、海外進出に伴う開業準備費用、賃金引き上げや店舗スタッフの充足率の向上による人件費の増加、政府による電気・ガス料金に関する支援の打ち切りによる光熱費の高騰などの影響で販管費が膨らんだ。なお、25年7月期通期業績予想は、売上高453億3500万円(前期比8.2%増)、営業利益30億3600万円(同6.5%減)の従来見通しを据え置いている。

 大塚ホールディングス<4578.T>=大幅高で6日ぶりに反発。前週末6日の取引終了後、子会社である大塚製薬が開発中の成人のIgA腎症治療薬シベプレンリマブについて、フェーズ3(VISIONARY)試験の中間解析結果を、現地時間6日にオーストリアのウィーンで開催された欧州腎臓学会(ERA)で発表。投与9カ月後の24時間尿におけるuPCR(尿蛋白/クレアチニン比)が、プラセボ群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある51.2%の減少を示したとしたことが好感されている。なお、同件による25年12月期業績予想への影響はないとしている。

 エクサウィザーズ<4259.T>=3日ぶり大幅反発。前週末6日取引終了後、出光興産<5019.T>に対し、海外の原油を輸送する配船計画を高度化するオペレーションモデルと最適化システムを開発・提供したと発表した。4月から外航船配船のタンカーを対象に段階的に運用を始めているという。あわせて東京都中央区と生成AIの活用による業務効率化などの実証実験に関する連携協定書を締結したと発表。更に週明け9日の朝方、CRO(医薬品開発業務受託機関)事業を手掛けるイーピーエス(東京都新宿区)と共同で、AIによる診断系SaMD(ソフトウェア医療機器)の特徴を生かした開発効率の高い臨床開発スキームを構築したことを明らかにした。相次ぐリリースを材料視した買いが入っている。

 テラスカイ<3915.T>=上げ足強め3000円突破。米セールスフォース<CRM>や、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が展開するAWS(アマゾンウェブサービス)のクラウド導入支援ビジネスで需要開拓を進め、業績は飛躍的な成長局面にある。NTTデータと資本・業務提携を締結し成長戦略に磨きをかける一方、量子コンピューター分野でも業界では先駆的存在。量子コンピューターのアルゴリズム開発を手掛けるQuemixを傘下に擁しており、Quemixは5月中旬にホンダ<7267.T>と共同で世界初の「量子状態を読み出す新技術」の開発に成功したことを発表し注目を集めた。前週末の米国株市場では量子コンピューターのシステム開発や関連アプリサービス開発を手掛けるD―ウェイブクアンタム<QBTS>が13%超の急騰をみせるなど量子コンピューター関連株に投資マネーが向かっており、東京市場でもこの流れに乗って、同関連最右翼のテラスカイやエヌエフホールディングス<6864.T>などが急動意する形となっている。

 ブレインパッド<3655.T>=急反発。前週末の米国株市場では量子コンピューターの象徴株となっているD-ウェイブクアンタム<QBTS>が13%超の急騰をみせるなど、量子コンピューターのテーマ買いの動きが再燃している。米エヌビディア<NVDA>が量子コンピューター分野での研究に積極的に乗り出しているが、同社のジェンスン・ファンCEOはスーパーコンピューターの連携運用などに興味を抱いているもようで、関連銘柄を再び刺激しているようだ。東京市場でも量子コンピューター領域で活躍が期待される銘柄に物色の矛先が向いている。そのなか、ブレインPはAI技術を活用したビッグデータ解析やシステム開発を武器に法人向けコンサルティングサービスを展開するが、量子技術に関する論文のレビューなどでも定評があり、近い将来には量子技術を実装したAIソリューション実現で重要な役割を担う企業との見方が支配的だ。

※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。

出所:MINKABU PRESS


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