来週の株式相場に向けて=「中東情勢」と「日本国債」を意識し荒い値動きも


 13日の株式市場は中東情勢の緊迫化を背景に、日経平均株価が一時600円を超える下落となった。イスラエル軍がイランの核関連施設などを攻撃したことを受け、リスク回避姿勢が強まり為替は1ドル=142円台後半のドル安・円高に動き、東京株式市場ではハイテク株などを中心に売りが膨らんだ。

 一気に中東リスクが市場を揺さぶった格好だが、今後の展開はどうなるのか。アナリストからは「イランを巡る混迷は米バイデン政権の頃からよくあったこと。イランは報復せざるを得ないだろうが、イスラエルとの軍事力の差は大きい。湾岸の中東諸国やアメリカが巻き込まれなければ、徐々に状況は落ち着くのではないか」との見方も出ている。ただ、当面は不透明要因が大きく、INPEX<1605.T>など石油関連株や三菱重工業<7011.T>など防衛関連株を注視する展開は続きそうだ。

 来週は「中銀ウィーク」を迎え、その動向も注目されている。16~17日にかけて日銀金融政策決定会合、17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、ともに金融政策は現状維持となりそうだ。ただ、日銀決定会合では「国債買い入れ減額計画の中間評価」と「26年4月以降の買い入れ方針」を議論する。更に20日には財務省による国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー、PD)会合が開催される。その内容次第では「国債利回りは大きく動く可能性もあり、金融市場が上下することも起こり得る」(市場関係者)と指摘されている。FOMCも年後半に向け利下げ観測が台頭するなか、ドットチャートやパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が注目されている。

 更に、15~17日にかけて主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれる。日米首脳会談も予想されトランプ関税の行方が注視されている。中東情勢を含めビッグイベントが続くだけに、来週の株式市場は値の荒い展開が続くことも予想される。

 上記以外のスケジュールでは、海外では16日に6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に米5月小売売上高、米5月鉱工業生産、18日に米5月住宅着工件数、20日に米6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数が発表される。米国は19日が奴隷解放記念日(ジューンティーンス)で休場となる。17日にレナー<LEN>、20日にアクセンチュア<ACN>が決算発表を行う。

 国内では18日には5月貿易統計と4月機械受注、5月訪日外客数、20日には5月消費者物価指数(CPI)と4月30日・5月1日開催分の日銀金融政策決定会合議事要旨が発表される。16日にTerra Drone<278A.T>、18日にコーセル<6905.T>、20日に西松屋チェーン<7545.T>、サツドラホールディングス<3544.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7200~3万8200円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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