クリングルがS安ウリ気配、新株予約権発行と追加臨床試験の実施決定を嫌気


 クリングルファーマ<4884.T>がストップ安の水準となる前営業日比150円安の678円でウリ気配となった。同社は16日、EVO FUNDを割当予定先とした第16回新株予約権の発行と、日本における脊髄損傷急性期治療薬の承認申請に向けた臨床試験の追加実施の決定について発表。希薄化リスクが意識されたほか、新薬の早期実用化を巡る懸念も相まって、売りが膨らんだようだ。

 新株予約権の発行により、同社は手取り概算で約14億円を調達。脊髄損傷急性期を対象とする追加臨床開発費用や声帯瘢痕を対象とする市販用製剤開発費用、運転資金などに充てる。3月末時点の発行済み株式総数に対する希薄化率は24.86%となる。脊髄損傷急性期治療薬に関しては、第3相臨床試験終了後の医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議により得られた知見を踏まえて今後、有効性の追加データを取得したうえで、承認申請を行う予定。

 あわせて同社は25年9月期の業績予想の修正についても公表。売上高予想を従来の見通しの2億7200万円から7100万円(前期比11.3%減)に、最終損益の赤字幅の予想を13億8000万円から9億4600万円(前期は7億5600万円の赤字)に見直した。脊髄損傷急性期の国内承認申請のマイルストーン収入を想定していたが、今期中の承認申請が見込めなくなったほか、試験費用が来期にずれ込む影響などを踏まえ、予想に反映した。

出所:MINKABU PRESS


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