来週の株式相場に向けて=最高値更新を意識も「ガイダンスリスク」警戒


 7月第4週(22~25日)の日経平均株価は前週に比べ1637円(4.1%)の上昇となり、一時4万2000円台まで値を上げた。参院選は、自公の大敗で与党の議席数は過半数を割り込んだが、日本と米国の関税交渉が23日に急転直下で合意したことから、日経平均株価は急上昇。昨年7月11日につけた最高値(4万2224円)を射程圏に捉えた。特に、自動車関税が15%に引き下げられたことは「ポジティブサプライズ」(市場関係者)と受け止められ、トヨタ自動車<7203.T>を中心に値を上げた。

 春先からの懸念だった日米関税交渉が決着したことは、大きな前進となり株式市場はこれを好感した。今後をみるうえで国内政局は石破茂首相の進退を含め不透明要因が残る。来週28日には自民党が参院選総括の両院議員懇談会を開催する予定であり、今後の展開が注目されそうだ。

 また、新たな警戒要因として浮上しているのが「ガイダンスリスク」だ。4~6月期の決算発表が本格化するなか、きょうは信越化学工業<4063.T>や三菱自動車工業<7211.T>が決算内容を嫌気され急落。日米関税交渉は決着したが、米関税の上昇分を織り込めていない企業も多く、個別企業ごとの対応力に差が出てくることも予想される。

 更に、来週は「中銀ウイーク」で29~30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、30~31日に日銀金融政策決定会合が開催される。ともに政策金利は据え置きの見通しだが、今後の金融政策の方向性が注視されている。更に、31日のアップル<AAPL>やアマゾン<AMZN>の決算、8月1日の米7月雇用統計など注目材料は満載だ。不透明感は残るものの、牽引役である米株高に変化がなければ東京市場で日経平均株価の最高値を意識する展開は続きそうだ。

 上記以外の来週のスケジュールは、海外では29日に米6月JOLTS求人件数、米7月消費者信頼感指数、30日に米7月ADP雇用統計、米4~6月期GDP、31日に中国7月製造業PMI、米6月米個人消費支出(PCE)物価指数、1日に米7月ISM製造業景況指数が発表される。29日にプロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ボーイング<BA>、30日にマイクロソフト<MSFT>、1日にエクソン・モービル<XOM>が決算発表を行う。

 国内では31日に6月商業動態統計、1日に6月失業率・有効求人倍率が発表される。28日に野村総合研究所<4307.T>、日東電工<6988.T>、29日にアドバンテスト<6857.T>、キーエンス<6861.T>、コマツ<6301.T>、30日に富士通<6702.T>、日産自動車<7201.T>、31日に東京エレクトロン<8035.T>、日立製作所<6501.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>、1日に任天堂<7974.T>、日本製鉄<5401.T>、三井物産<8031.T>などが決算を発表する。29日に名証メイン市場に山忠<391A.NG>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、4万800~4万2000円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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