来週の株式相場に向けて=TOPIX「青空圏」突入が示す相場の潮流変化


 8日の日経平均株価は前日比761円高の4万1820円と4日続伸。一時、4万2000円台に値を上げ、昨年7月につけた最高値(4万2224円)に迫った。なかでも関心を集めたのが、ソフトバンクグループ<9984.T>の急騰で、同社株1銘柄で日経平均株価を260円強押し上げた。

 市場関係者からは「トヨタ自動車<7203.T>の業績は下方修正されたものの、ソニーグループ<6758.T>、SBGといった主力銘柄が決算を通過したことで、市場には安心感が広がったのではないか」との声が出ている。

 とりわけ足もとの相場を象徴しているのがTOPIXの上昇だ。きょうは初の3000台乗せと最高値圏を邁進(まいしん)している。アナリストは「足もとの状況は、エヌビディア<NVDA>の上昇でアドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>が急伸し日経平均株価が上昇したような局面とはやや異なるのではないか。相場は予想以上に強いが、それは青空圏に突入したTOPIXが象徴しているように思える」と話す。

 大成建設<1801.T>など建設株や三井不動産<8801.T>など不動産株、イオン<8267.T>など消費関連株が一気に上値を切り上げている。日経平均株価をみても、8日時点で騰落レシオ(25日移動平均)は146と過熱ゾーンに突入しているが、25日移動平均線からの乖離率は3.5%程度に抑えられており、極端な上昇局面となっているわけではない。

 当面の相場は、米利下げ期待に左右され、来週12日の米7月消費者物価指数(CPI)、14日の同卸売物価指数(PPI)が要注目となる。更に、21~23日の米ジャクソンホール会議などが相場を左右しそうだ。ただ、半導体関連など外需株に加え内需株が上昇基調を維持すれば、高値圏にある相場は意外に底堅い展開が続く可能性がありそうだ。

 上記以外のスケジュールでは、海外では12日に米7月財政収支、15日に米7月小売売上高、米7月鉱工業生産、米8月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。14日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>、ディア&カンパニー<DE>、タペストリー<TPR>が決算発表を行う。

 国内では11日は「山の日」の祝日で休場。12日に7月マネーストック、15日に4~6月期GDPが発表される。12日にGMOインターネット<4784.T>、横浜ゴム<5101.T>、13日にアシックス<7936.T>、ネクソン<3659.T>、光通信<9435.T>、14日にすかいらーくホールディングス<3197.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>などが決算発表を行う。13日にアクセルスペースホールディングス<402A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、4万1200~4万2500円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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