資生堂が安寄り後に切り返す、最終赤字拡大予想も悪材料出尽くし感


 資生堂<4911.T>は安寄り後に切り返す展開。10日の取引終了後、25年12月期第3四半期累計(1~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。今期の売上高予想を従来の見通しから300億円減額し9650億円(前期比2.6%減)に引き下げたほか、最終損益予想は60億円の黒字から520億円の赤字(前期は108億1300万円の赤字)に見直した。黒字転換予想から一転、最終赤字幅の拡大を見込む。発表を受け同社株は安く始まったが、悪材料出尽くしと受け止めた投資家の押し目買いが入った。

 日本国内でのインバウンド消費と米国市場の減速が響くほか、「ドランクエレファント」の回復遅れも収益を押し下げる。米州事業の収益性低下を受けて、のれんの減損損失も計上する。同社は国内の一部子会社を含めた希望退職プログラムの実施も決めた。1~9月期の売上高は6938億1700万円(前年同期比4.0%減)、最終損益は439億8300万円の赤字(前年同期は7億5400万円の黒字)だった。資生堂は中期経営戦略の策定についても公表した。ブランド価値の最大化とコスト最適化を進め、30年12月期までの年平均売上成長率をプラス2~5%、30年12月期のコア営業利益率を10%以上とする目標を掲げた。

出所:MINKABU PRESS


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