来週の株式相場に向けて=「脱中東」を探る局面か、AI・半導体“一極相場”再開の兆し


 10日の日経平均株価は前日比1028円高と急伸し、一時5万7000円台を回復する場面があった。この日は、ファーストリテイリング<9983.T>が1銘柄で日経平均株価を650円程度押し上げた。東京エレクトロン<8035.T>とフジクラ<5803.T>を加えた3銘柄で900円を超す上昇となり、AI・半導体関連株を含めた一極集中相場だった。

 市場は、11日に予定されている米国とイランの和平交渉を注視している。アナリストからは「ホルムズ海峡の開放は簡単に進みそうになく、原油相場は高止まりしそうだ。とはいえ、米国とイランが和平のテーブルに着く意味は大きい。当面はヘッドラインに一喜一憂する場面が続きそうだが、徐々に相場は脱中東に向かっているように見える」(アナリスト)という声が出ている。

 この流れが株式市場の上昇に結びついており、日経平均株価は下げ幅の3分の2戻しを達成し、2月27日の最高値(5万8850円)にも接近する状況となっている。足もとではキオクシアホールディングス<285A.T>や古河電気工業<5801.T>の急騰が象徴するように、生成AIの普及を背景にしたAIインフラ関連銘柄を買う動きが活発化している。一部のAI・半導体関連株が相場を押し上げる格好でNT倍率(日経平均株価をTOPIXで割った数字)が拡大する局面が再現する可能性も出ている。

 そんななか、来週から米国は決算シーズンに突入する。特に、15日にASMLホールディング<ASML>、16日に台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>といった有力半導体関連企業の決算発表がある。月末にかけ日銀金融政策決定会合や米連邦公開市場委員会(FOMC)も予定されており、日米金融政策の動向も注視されそうだ。徐々に「脱中東」が進む状況も期待されるなか、まずは今晩発表される米3月消費者物価指数(CPI)の結果が注視されている。

 上記以外の来週のスケジュールでは、海外では13日に米3月中古住宅販売件数、14日に米3月生産者物価(PPI)、15日に米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、16日に中国1~3月期GDP、米3月鉱工業生産、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数が発表される。14日にIMF世界経済見通しが発表される。13日にゴールドマン<GS>、14日にJPモルガン<JPM>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、15日にシティグループ<C>、バンク・オブ・アメリカ<BAC>、モルガン・スタンレー<MS>、16日にネットフリックス<NFLX>が決算発表を行う。

 国内では13日に3月マネーストック、14日に20年債入札、15日に2月機械受注、3月訪日外客数が発表される。13日に植田日銀総裁が信託大会で挨拶を行う。13日にコスモス薬品<3349.T>、コーナン商事<7516.T>、14日に東宝<9602.T>、高島屋<8233.T>、ベイカレント<6532.T>、15日にヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>、17日にゲンダイエージェンシー<2411.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは5万5800~5万8200円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS


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